嬉しすぎるサプライズ! ヴィンテージボードゲームカレンダー!
きのうの夕方、友達から電話がかかってきて、
「あかねの家の前にいるから、出てきて〜」と。
外に出てみると、
「はい、これ!」
少し前にその友達と一緒に古本屋さんで見つけて買おうか迷っていた、古いボードゲーム盤がモチーフになったカレンダーでした!
素敵ー!ほしいー!!と思ったのですが、その日は運動のためにも速歩きで長い時間ウォーキングする予定だったので、このカレンダーが約50×70cmと大きくて重くて長時間持ち歩きたくなくて、また今度、と思っていたのです。
友達はそれを覚えていて、その後またその本屋さんに行って、買ってきてくれました!
2021年ももう3ヶ月半過ぎてしまいましたが、そんなの関係ありません!
嬉しい〜!!!
月毎に、1900年頃のボードゲーム盤がひとつずつ印刷されています。ルールも書いてあるので、カレンダーとして使った後も、遊べます!
またこの出版社は、植林される数の方が伐採される数より多いサスティナブルな木から作られている紙を使っています。
見てください!絵も印刷も美しい。。。
どの月のものも遊び自体は簡単で素朴ですが、モチーフやそれにちなんだルールが少しずつ違っていておもしろい!100年以上前のドイツでの遊びの風景を思い浮かべるだけで、わくわくします!
1月は、Gänsespiel / ガチョウゲーム。
サイコロ2つを使って遊ぶ。それぞれのプレイヤーはゲームを始める前に金庫にチップを5枚支払う。
初めにサイコロの2と3を出した人は11番のマスへ、1をふたつ出した人は34番のマスへ、6をふたつ出した人は44番のマスへ進む。
5番のマスに止まったらチップを2枚もらえる。9番のマスに止まったらチップを3枚支払う。21番のマスに止まったら3枚もらえる。25番のマスに止まったら9番のマスに戻り2枚支払う。27番のマスに止まったら2枚支払う。28番か48番か56番のマスに止まったら振り出しに戻る。30番のマスに止まったら4枚もらえる。32番のマスに止まったら2枚もらえる。38番のマスに止まったら2枚支払い49番のマスへ進む。40番のマスに止まったら3枚もらえる。50番のマスに止まったら2枚支払い55番のマスへ進む。52番のマスに止まったら2枚もらえる。64番のマスに止まったら3枚支払い60番のマスに戻る。68番のマスに止まったら2枚もらえる。69番のマスに止まったら振り出しに戻る。70番のマスに止まったら2枚もらえる。72番のマスに止まったら誰かもうひとり同じマスに来るまで待つ。78番のマスに止まったら2枚もらえる。80番のマスに止まったら金庫のお金がもらえる。サイコロの目がぴったりでなければ、80番のマスには止まれず、はみ出した数の分だけ戻る。ガチョウのマスに止まったら、降ったサイコロの目の数の分だけ前か後ろにもう一度進む。
ルールはスタンダードなすごろく、といった感じですね。
ガチョウや当時の人々の暮らしぶりが描かれていて、見ているだけで楽しいです。キツネにつかまったり調理されていたり、なかなか現実的です。
2月は、Die Reise um die Welt / 世界一周旅行。
それぞれのプレイヤーはゲームを始める前に旅行基金にチップを10枚支払う。
サイコロひとつを使い、振った目の数だけ進む。絵のマスに止まったら、2枚もらえる。絵のない数だけのマスに止まったら、誰かもうひとり同じマスに来るまで待つか、罰金としてチップを2枚支払う。1番か25番か45番のマスに止まったら4枚もらえる。28番のマスに止まったら5枚もらって39番のマスに戻る。31番のマスに止まったら5枚支払って27番のマスに戻り、更にチップを2枚罰金として支払う。サイコロの目がぴったりでなければ、50番のマスには止まれず、はみ出した数の分だけ戻る。50番のマスに止まった人が金庫のお金がもらえる。
こちらもすごろくですね。
世界旅行なんて簡単にはできなかった時代。遠い国に想いを馳せながらテーブルを囲み遊んでいたのでしょうか。
3月は、Müller & Schlotfeger / 粉屋と煙突掃除屋。
サイコロふたつを使って2人で遊ぶ。それぞれ粉屋用と煙突掃除屋用のコマを取り、チップを5枚支払い、21枚のチップを賭け金として用意する。ふたつのサイコロを振って出た目のマスがそれぞれの所有となり、そのマスにチップを1枚置く。既に誰かが所有している目がまた出たら、ハズレ。粉屋が煙突掃除屋の請求書を所有することになったら(1.-5.のマスに止まったら)、粉屋は1枚支払い、おでこに一本白い線を引かれる。同じように、煙突掃除屋が粉屋の請求書を所有することになったら(III-IIIのマスに止まったら)、煙突掃除屋は1枚支払い、おでこに一本黒い線を引かれる。先に敵の絵のマスを3箇所所有した人が、相手に2枚支払い、先に数字のマスを5箇所所有した人も、相手に2枚支払う。21枚全て使い果たしてしまった人は負けで、ゲーム盤の上のお金は全て相手のものになる。全てのマスが埋まった場合は、多くのマスを所有した人の勝ち。勝った人がおでこに白か黒の線を引かれている場合は、ゲーム盤上の賭け金の半分だけもらえる。
粉屋と煙突掃除屋のお仕事の様子や商売道具が描かれていて、おもしろい。粉と煙突のススにちなんで白と黒の線をおでこに引く、というのも楽しい!
4月は、Neues Bank-Spiel / ニューバンクゲーム。
ルールを全部訳していると長くなりすぎるので、ここからは簡潔にまとめていきます。
これは、3人で遊ぶゲームで、そのうちの1人が銀行家の役割。3人がそれぞれ一色ずつ自分の色を選び、他の人の色のマスに止まったら、その色の人にチップを1枚支払ったり、お金がなくなった人が負けだったり、銀行のお金がなくなったらゲーム終了だったり、資本主義的な考え方がかなり現れています。さすが、1890年代まで続いた大不況の後、工業生産が一気に拡大した時代のゲームですね。
時代背景が見て取れるように反映されているボードゲームは本当に数多くあります。戦時には戦争関係のおもちゃが増えたり、ジェンダーのテーマがおもちゃにも反映されたり、遊びは本当に社会の鏡ですね。
5月は、Neues Wettrenn-Spiel / ニュー競馬ゲーム。
12人かそれ以上で遊べるゲーム。6人がジャーキー、その他のプレイヤーは競馬で賭けを楽しむようです。すごろくのおもしろいバリエーションのひとつですね。
知り合いに誘われて数回ドイツで競馬場に行ったことがあるのですが、3番のマスに描かれているような帽子をかぶった人たちがいたり競馬場でもこういった帽子が売られていたり、ワインを飲みながら楽しんだり、高貴な遊びという印象を受けました。日本では競馬場に行ったことがないので、あまり比較はできませんが。
6月は、Robinson-Spiel / ロビンソンゲーム。
こちらは、1月のカレンダーのように、サイコロを振って、進んだり戻ったりお金をもらったり支払ったりするすごろくのゲームですが、10番か23番のマスに止まったら、船が壊れて救済されたり病気になったりするため、チップを払って2回スキップなど、ロビンソン漂流記にちなんだルールも。
7月は、Blumen-Spiel / 花のゲーム。
このカレンダーをくれたお花が大好きな友達はこのゲーム盤が一番お気に入りのようですが、内容は彼女が想像していたものとは違って、花束を買うためにお金を支払ったり、花束を盗んで尋問にあって罰金を払ったり。他のプレイヤーが自分のいるマスに止まったら、その人が元いた場所に戻らされるというルールも。
8月は、Neues Glücks-Spiel / ニューギャンブルゲーム。
こちらのゲームのルールは4月のニューバンクゲームとかなり似ています。
このカレンダーに印刷されているゲームの詳細や復刻版に関しての情報は残念ながら見つけられていないのですが、いくつかのゲームのタイトルに「ニュー」が付いているということは、元になっているゲームがあったのでしょうか。
9月は、Die Goldgrube der Heinzelmännchen / 金鉱とハインツェルメンヒェン。
こちらは、色紙を使って真ん中と周りのアルファベットを隠して、その場所を予測して当てるというゲーム。ハインツェルメンヒェンが近郊でもお仕事をしていたとは知りませんでした。
ハインツェルメンヒェンとは、ケルンに住んでいた小人のこと。みんなが眠っている夜中に現れて、パン屋さんや大工さん、仕立て屋さんや肉屋さんの仕事を次の日の朝までに仕上げてくれたというお話です。好奇心の強い仕立て屋さんの奥さんがエンドウ豆を床にばらまいておくと、ハインツェルメンヒェンたちが来て、ガラガラドッシャーン。姿を見られてしまったハインツェルメンヒェンは、それから二度の現れることはなく、職人さんたちは自分たちで仕事を終わらせないといけなくなりましたとさ。
ハインツェルメンヒェン、町から金鉱に移ったのでしょうか。
ドイツ語ですが、こちらでお話が見れるので、興味がある方は見てみてください。
10月は、Das Affenspiel / 猿のゲーム。
こちらも、すごろくのバリエーション。
橋の描かれたマスに止まったら通過料金を支払うとか、井戸のマスに止まったら中に落ちたから誰か他の人がそのマスに止まるまで待つとか、ふたつのサイコロを振って2と3か4と6のマスに止まったら、その目が描いてあるマスに飛ぶなど、いろいろなルールがあります。自分ですごろくを作るときのルールの参考になりますね。
11月は、Neues Hintz-und-Peter-Spiel / ニュー ヒンツ & ペーター ゲーム。
これもまたすごろくです。
「ニュー」になる前の元版があるのか、なぜヒンツ & ペーターなのかは分かりませんが、ヒンツさんのマスに止まった人はチップを3枚支払い、ペーターさんのマスに止まった人はチップが3枚もらえるようです。
ヒンツさんとペーターさんのモデルになった人がいるのでしょうか。ドイツ人に聞いてみようと思います。
そして最後の月、12月は、Das Christbaum-Spiel / クリスマスツリーゲーム。
こちらもすごろくですね。
クリスマスツリーのマスに止まったらもう一回同じ数進めます。サンタさんのマスに止まったらチップを2枚支払って振り出しに戻る、というルールには驚いてしまいました。サンタさん、怖い。。。
以上、1900年頃にのドイツのボードゲーム盤の紹介でした。
このボードゲームについて調べていて見つけたのですが、このカレンダー、1950年から続いているヨーロッパで最大のカレンダーアワードで銅賞を受賞したようです。
これから毎月カレンダーをめくるのがとっても楽しみです。
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