ケインズ経済学について
こんにちは。映像作家で小説家の榊正宗です。
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さて、今日のテーマですが、今日は「ケインズ経済学について」調べてみたいと思います!世界は、コロナ禍の不況をどうやって乗り切るのか、そのヒントは見つかるでしょうか?
🔳ケインズ経済学とは
ケインズ経済学とは、ジョン・メイナード・ケインズの著書『雇用・利子および貨幣の一般理論』(1936年)から始まった、マクロ経済学という大きな視点でみた経済学の事です。
経済学的には、まず前提として、自由主義と社会主義が対局にあります。これって、政府が全部管理すべきだというのが社会主義で、企業が自由にやって政府は最低限の関与にすべきだってのが自由主義なんですが、なんでケインズが出てきたかと言うと、両極端すぎる考えの中間として出てきたと思われます。
それまで好調だった自由主義ですが、不況に耐えられないことが世界恐慌のときに判明しました。その頃、「ちょっとは国でお金を管理したほうがいいんじゃない?」と言い出したのが、ケインズだったと言うわけです。
ちなみに、現在のアメリカはトランプの共和党から、バイデンの民主党に変わったので、ケインズ的な経済政策に移行していると言われています。
分かりやすく言うと、バイデンは、トランプよりも、「市場を政府の力でコントロールしていく政策」を打ち出しているとうことです。
🔳雇用・利子および貨幣の一般理論とは
すごく噛み砕いて言えば、古典派経済学では、「不況なんかほっとけばおさまる」と楽観視していたのに対して、「みんなが不況に不安を感じて貯金したら、お金が世間に回らなくなって失業も続くぞ!」と指摘した本です。
まあ、実際に理論だけでなく、世界恐慌が起きてしまったので、ケインズの考えが正しかったことが証明されたわけです。
この解決策として、自由主義に任せっぱなしではなく、ちゃんと政府が金利をコントロールしたり、公共事業をやったりして、経済を動かさないと不況は乗り切れないという考えが広まったわけです。
ですが、この答えとしてのニューディール政策は、その後、第二次世界大戦などの影響で有耶無耶になり、成功したのか分からなくなってしまいました。
🔳オイルショックで衰退
1960年代はケインズの経済学が隆盛を極め、国の財政政策で経済が成長していきました。
しかし!
1973年の石油危機が起きるとケインズ経済学は衰退します。
オイルショックでは、インフレと不況が同時に起こるスタグフレーションが長期化しました。
そうなると、金融政策を打とうにも、インフレ対策で金利を上げようとすると不況から抜け出せなくなり、ケインズ経済学では対応できなくなったと言われています。
↑スタグフレーションについてはこちらをどうぞ。
電電公社がNTTになったり、国鉄がJRになったりしたのは、ケインズ経済学から新自由主義政策に変わったからなんですね。
バブル経済の裏で、社会主義が自爆して崩壊すると、さらに新自由主義が伸びていったようです。
ですが、日本は、新自由主義の弊害でバブル崩壊が起きて不況になってしまいます。にもかかわらず、小泉政権ではむしろ新自由主義を強化し、郵政民営化が成立したりしました。
まあ、しかし、新自由主義下では、ほんとにみんな自由にやっちゃうようで、後の不況の火種が生まれている気はします。
結果的には、新自由主義が今日の格差社会を生み出したと言われています。
🔳リーマンショックで復活
要するに、経済学の世界は、繰り返しているだけのような気がします。
2009年のリーマンショックで、やっぱ自由にさせたらヤバいということになって、日本では、異次元緩和という限界突破した金融政策まで行われました。
アメリカでもFRBが利下げを行い、結果的にアメリカは再生しました。オバマ政権はケインズ的な政策を打ったわけですね。
しかし、トランプ政権で、ちょっとよくわからない方向に行ってしまって、新自由主義のようで、企業には自由にやらせないという謎の状況になってしまったわけです。
景気が戻ってきているのに、FRBに対して利下げを要求するというのも、ケインズ的にはNGな行動です。
むしろ、新自由主義の負の側面に足を突っ込んでしまっていたわけですね。トランプ政権が短命に終わったのは、新自由主義の波に乗れなかったからかもしれないですね。
いまは、オバマ政権の流れをくむバイデン政権に戻り、明確にケインズ的な動きになっているようです。政府主導でお金をバラマキまくってます。
ただ、これが上手くいくかは、誰にも分かりません。
スタグフレーションが来ると言われているのも、ケインズ的な経済政策の限界が過去にあったからかもしれませんね。
そうなると、バイデン政権も短命におわり、また新自由主義の時代が来るかもしれません。
🔳まとめ
難しく考えずに、経済学をとらえると……
A:国が管理するか? →マルクス
B:自由にやらせるか? →新自由主義
C:まあまあ、国が管理するか? →ケインズ
という3つしか無いわけです。
儲かってる時は自由にやらせろ!と言って、不況になれば、国が悪いと言う。それが、世の常だということですね。
これには、どの考えが優れているというのはなくて、単に波があるだけのような気がします。
いま、中国が強いのは、国が管理したほうが上手くいく波にのっているからです。中国としては世界も管理したいので、デジタル人民元というのを切り札にして世界市場をコントロールしたいと考えているようです。コロナ禍の難しい状況を乗り切るには政府が率先してコントロールしたほうが良いというのは、証明されてしまったように思います。
ですが、社会主義による管理は独裁にもつながるので、腐敗して崩壊する可能性もあります。また、世界をコントロールするのには大きな反発が予想されます。とくにアメリカが反発しているのは、自由が侵害されようとしてるからなんですね。
ですが、潮目が変われば、また自由主義が儲かるぞ!となるんだと思います。コロナを完全克服した後あたりには、また自由主義の波が来そうな気もします。そして、やりすぎて、やっぱ、少しは国が管理するか~と。この繰り返しなんですよね。
しかし、私個人は、A、B、Cのどれでもなく、経済をほんとうに大きく動かしているのはイノベーションではないかと考えているので、ヨーゼフ・シュンペーターという人の考えを支持しています。(今回は深く掘り下げません)
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