テテのVogueの表紙がすごい話
目に入った瞬間首から上が熱くなって動悸がして、血が沸くってこういうことかとおもったのをきっと忘れない。
Vogue Korea 10月号の表紙の、身体の内側が発火するほどの衝撃。
たぶん今までにレジェンド級と言われ、当時のアミたちの血を沸かせてきたテテの写真は何枚もあって、そしてそれはそのまま実際、生きる伝説キムテヒョン列伝の1ページを飾り、何年も先の未来から見ずとも既にレジェンドとなっているはずだ。
だって見たもんたくさん。
息を飲むほどのキムテヒョン。
わたしのPinterestそんなのばっか。ていうかテテそんなのばっか。
なんだけど。
ねえ。
すごすぎない?
3枚の写真のすべてがすごい。
Aとされる1枚目。
絶句した。すごすぎる。
突然逆光だ。視線もどこを見ているか定かでもない。
BTSのVが単独でVogueの表紙をやります、という触れ込みの1枚目がこれ。
震える、痺れる。
まだ見たことない顔があるなんて。
Bとされる2枚目。
ああすごい。アイドルVの真骨頂。
なんの動作でもない意味を成さないポーズが、この世でただひとつの正解のように見える。
ファッションと彼とポーズで完成する世界。
Cとされる3枚目。
本当にすごい。顔の力。
MIUMIUだなはもちろん、カルティエだな、でさえ3拍遅れて脳に届く。
そもそもそう、ジュエリーはひとをより美しく見せるための飾りであって主役ではないのだから、これは極めて正しい。彼の美しさとしてまず響くのが正しい。
同じ色調を纏っているとしたら、それは「Vogue」のディレクションだから、というところだとおもう。でもこの3枚はそれぞれに、コンセプトや作風が違うよねと言ってしまえる3枚じゃん?
雑誌を捲っていて各コンテンツによって撮影コンセプトやレイアウトやデザインが変わるように、キムテヒョンがモデルとして共通なだけで、目的としているところが違うような3枚。
だけど共通してることがある。
なんて言おうか迷うな。
とりあえず言ってしまえば、これらを見た直後わたしがツイートしたのは
なにこの少年性。詩集が出る。
だった。
あまり、少年美というものを追いたくない。
それは年寄りの偏った幻想みたいだから。
偏執的な嗜好のようだから。
幼く未熟なものへの憧憬なんて、愛でるという形をとった歪なマウントなんじゃないかとか。
成熟したものの手に負えなさからの逃げとしての未完成でいて欲しいという願望なんじゃないかとか。
まあ早い話、ロリコンとかどうよ、とおもうから。
でも、どうしたってこの3枚からは、そのまるで少年のようなデリケートなフィルターが見える。語彙力がないだけかもしれないけど。
でもわたしにこんなにヒリヒリ効いちゃってるのはもうぜったい抗いようもなく確実にそれの、なんかこのすごいナイーヴさのせいだとおもうんだよね。
どこからどう見ても成人だ。なのにこのいたいけさは何から来るんだろう?
爽やかというにはすこし苦くて、純粋というには内包する重さが見えているようで、そして圧倒的に美しくて。
どうして?
どうしてこの2022年に、この12月には27になろうというのに、どうして、今そんな顔してるのあなた。
だってそう、あまりにもナイーヴ。
あまりにもいつかの思い出みたい。
あまりにも白昼夢。
でも、大丈夫なんだよ、もう1回言うけどだって大人にしか見えないから。これは少年ではない。少年美を追っているわけではない。だけど何かそれに似た、一種の禁忌を感じるだけ。
禁忌、ではないのかもしれない。神秘や、聖域性なのかもしれない。
どちらにせよおかしがたい何か。
その純度の高さが少年性と見せているのかもしれない。
気品。
ちょっと落ち着こう。
いろいろ考えたんだけど、結局すごいのはこの静けさな気がする。
静かに、そこにいるだけ。
それだけで完成するということ。
見るたび呼吸をひそめてしまう。
この静寂を殺したくなくて。
どうしても多めに語りたいのは、なんと言ってもこのAだ。やばい。
撮影の頃ニューヨークは気温が高くて、でも湿度は低くて、この日はほどよく晴れていて、早い時間からの撮影だったのかもしれない、日差しが黄色くなくて、ああでもニューヨークの空気はこういう色をしているのかもしれないね、とにかくそこには息をひそめるほどの静けさがあったはずなんだ。
だからそうしている。
この彼を見るときも。
風が、吹いていただろうか?その時の彼に、心地よかったらいいなとおもう。
呼吸も止まるけど時も止まるよ。
そりゃ静止画なんだからそうなんだけど、でも不思議とさ、動画の一瞬を切り取ったんだなみたいな、動くことを連想させる写真じゃない?
わたしはそれが生気だとおもったんだよね。生命力。
あのさ、そう、人形みたい、とかじゃないの。
生きてる人間なんだな、それがこんなに美しいんだなという衝撃に打ちのめされてるんだよ。今。
生きていて、それなのに、静かなの。
たぶんそれはもう静まりかえるからだよ彼の美を前に世界が。
ああこのひとは、生きて立ってるだけでこんなに美しいんだな、という実感を写した写真です。
なんかたぶん、この人の顔のすごさって、骨格やパーツの美しさはもちろんだけど、奥行なんじゃないのかな。
立体感。
右の瞳の位置がここってことは、普通左の瞳の位置はもっと左側、向かって右側にこない?
顔が立体的でアールが強いから左の瞳ここで止まるんじゃない?
それがこのどこ見てるかわかんない視線を作ってる。
こういうちっちゃな「彼特有」の積み重ねが奇跡を作るんだな。
すごいのは静けさ、と言ったけれど、もうひとつ特出しているとおもうのは、この、生きてるかんじ。
写真に収まることで、動きを封じることで、例えば呼吸とか、鼓動とか、瞬きとか、視線の揺れとか、体温とか、そういうものを……探ってしまう せいなのかな。逆に浮き彫りになる気がするんだよ、この人の生きている記録だという側面が。
静かに生きて呼吸をしている彼がただ美しい、という記録。
そして、ああ、彼の魅力をいっそう引き立てているのがこのパンテールのピアスとネックレスだな、と思うじゃん。
パンテール。パンサー、をかたどったこのコレクションは、それまでアールデコ的な幾何学デザインが主体だったカルティエのジュエリーにとってすごく革命的な存在だったんだよね。
自由で大胆で革新的で。
それをテテがつけてる。
はあ。グッとくる。グッ どころじゃない。グッ………………………………ってなったまま次いつ息吸えばいいかわからなくなるくらい、の、よさ。
ホワイトゴールドなのもいい。
だってテテは本来はゴールドの方が馴染むけど、この冴々とした白金が、手を触れられない、静かな拒絶みたいなエレガンスを作ってる。
ボールチェーンのタッセルが端正なのにたおやか。水の流れみたい。
ダイヤモンドの輝きは洗練と孤高。鋭利さを日差しがやわらげてくれて、なんて似合うんだろう、ただ素敵。
ネックレスもそう。横たわる豹。
肉食獣のハンターである豹が、今満たされていて捕食の必要を感じてないとするでしょう?そんな時は別に、なんの欲にも駆り立てられずにただそこにいるだけなんだろうな。存在意義とか自我とかそんなものも手放して。
ああ、そしたらこんな目をするかもしれないね。このテテみたいな。欲しいものはあるけどまだそれが何かはわからない、みたいな目。
なんか、そうか。この受け入れなさみたいなものが、若さに見えるのかな。興味なさげな。
持て余してる感じ、自分を。
空虚、で蓋をされた何かが奥底にあって、でももう蓋をしてしまったからどうでもよくて、その投げやりな怠さがセンシュアルを生んでるかんじ。閉じてるのに隙があるから。
素肌に見えるくらい開いたデコルテ、タキシードジャケット、ダイヤモンドにホワイトゴールド、黒のフェザー。ナチュラルな髪、緩く彷徨う視線、マットなきめのこまかい肌質。ラフとフォーマルがエレガンスで調和してつくるシック。ブラボーVogue Korea。
マジサンキュー。
少年が綺麗で純粋なだけじゃないことなんてわたしたちは知っていて、欲だったり嘘だったり疑問だったり不安だったり怠惰だったり嫉妬だったり、それから焦燥だったりいろんなものが詰まってるわけじゃん。逆に、まだ、ただ単に空虚だったりもするでしょ。なんかそれを思い出みたいなもので美化してきれいなガラスケースに入れて眺めるみたいなとこあるでしょ、おとなが、無責任に。
このテテに…というかどのテテにもだけど、そういう見方をしていないとは言い難いんだけど、でも言っときたいのは別に、彼のこの真昼なのに翳った、遠景だけが明るい写真を見て、彼の心情や思惑を知ったふうにしたいわけじゃないってこと。
わたしが彼を知らなくても惹かれただろなとおもう写真だから語りたかった。
彼がどんな憂いや悲しみを抱えてるのかなんて、抱えてるのかいないのかなんて、わたしは知らないから。
彼の人となりだとか、たとえば歌詞を引用して重ねることさえしたくないくらい、ただこの写真だけでものすごく魅力的だよ。
BやCについても語りたいが。
Bはだから、すごいキムテヒョンだよ。
顔の天才であり、こういうのが得意な方、の真骨頂。
そして、相反する魅力の坩堝。
ノースリニットとか、レザーのハーフパンツ、暑いの寒いのみたいな感じとか、カジュアルファッションにハイジュエリーとかさ。
ファッション誌のグラビアを飾るポーズとして脱いだのかただ単に今の季節に暑かったのかみたいなのもいいし、でもこれきっと指示じゃなくご自分判断じゃないです?ってところとかさ、これだけ引きでもちゃんと刺さる視線とか。
何かの動作ではない、ポーズを撮るためのポーズが滑稽でないのなんて才能でしかない。
こうすることで素材感とか服の形とかが見える。ブルゾンの肩抜いてるからノースリだってわかる。
あの、たまにテテにモデルとしてランウェイ歩いて欲しいみたいなご意見見かけるけど、モデルとアイドルやっぱ違う職業だなとおもうんです。
モデルってやっぱり、ファッションを見せる仕事だから、服用の身体してて、アイドルはもっと自分主体だから、ここで出てくる、うわキムテヒョンやべえ、みたいなのがテテの正しい仕事だとおもうんだよね。
BTS V、キムテヒョン最高ってこと。
セリーヌのときもおもったけど。 あのときも、服を着てさらに輝くテヒョンがすごかったから、あんなにセンセーショナルだったんだとおもう。
この人ほんとに、魅力の天才なんだよねきっと。
CはとにかくVogueからの我々へのファンサ。
かお。
世界一と言われる顔を見てと。
やー……。つくづくいいね。
そう、BもCもテテの右から撮ってるのがいいんだよ。
右の、一重の方の目が手前に来てる。
これがファッション誌っぽいんだよね。
テテの顔だけに特化して撮るなら左側から撮る方が華やかなんですよ。
だけどたぶんそれだと顔がつよすぎたんじゃないかな。よりイノセンスな方を選んだ気がする。Aは左側からだけど、髪がかかってるからね。
もちろんたくさんある写真の中には見慣れたショットに近いものもあるかもだし。楽しみだね。
そう、Cで言ったらね、このポロニットのMIUMIUらしいカジュアルさとキュートさ、に、テテのこのかお、そしてゴールドのパンテールのものすごい足し算引き算加減。
テテはゴージャスだからダイヤにもゴールドにも負けるわけなくて、だからそれをポロニットと合わせたら、ジュエリーがドレスアップシーンだけのものなんて誰が決めたの?みたいになる。エフォートレスな。
テテってそう、唇の色素も天才だよね。扇情的。
パンテールのウォッチ、これ一見すごく幾何学的で端正だけど、ベゼルを横から見たときに前後に脚を伸ばしたしなやかな豹の姿をイメージしてつくられた、すーごい絶妙にして優美な曲線なんだよね。整然と並ぶこのベルトのパーツも横から見るとすごく曲線がきれいなんだよね。
テテにぴったり。
テテ、骨格で言ったらナチュラルだと詳しくないなりにわたしはおもってるんだけど(違ったらすまない)、その印象から受けるしっかりした感じとさ、そこかしこ丸みのあるかおのパーツや、あとやっぱり心のやわらかさから来る曲線のイメージ、その融合を感じるよね。
という、表紙。
なんだ。7000字くらいかとおもったのにまだ5000字だな。
でも気が済んできた。
とにかくこの素晴らしい表紙写真についてすっきりするまでしゃべりたかった。
ひとりごとをここまで読んでくれてありがとう。
楽しみだね。早く手元に来ないかな。
撮影コンセプト、インタビューで明かされるかな。
わたしが言ったこと全間違いでもいいんだ。
インタビューとかコンセプトとかを聞く前に、ただこの写真について語っておきたかっただけだから。
とりあえずそうだな。
飾れるところを作らねばならない。
いつ来るんだろう、急がなきゃ。
あと、大変だよ。
これ、この写真でのグッズは出ないんだ。
そんなあ……。
テテ自身が楽しんで進めたんであろう仕事を見られるのがうれしい。
推しが圧倒的に素敵で美しくてうれしい。
間違いなくレジェンドとなるこの瞬間に立ち会えてうれしい。
すごいな、テヒョン。
ありがとう。
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