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今更ですまないがELLE Koreaのテヒョンについて話したい

タイトルの通りです。
なんかあるでしょ言葉にならない期間。
そして馴染んでいき言葉にならぬままこころにこう、ある。ようになる。
それも好きなんだけど、オタクだからしゃべっとかないとさ。
でもこういうのってほんとは瞬発力なんだよいちばん熱くて間違いとか勘違いがあってもなんかあとからも許せて共感できるのは。自分内の話だけど。
ファーストインプレッション大事。わかってるんだけど、タイミング逃し続けて今になっちゃった。
でも今いっとかないとまたすぐ次にでかいの来るからさ。
ね。
テヒョン、フランスにいるから今。
やばいよねインストにあげてくれた分だけでもやばいよね。
そしてELLEのときと同じカメラマンの方同行してるじゃん何撮ってるのなにになになに。

ぜったい
すごいの
なんか
くる。

だからその前に残しておきたい話をしておこう。

去年Vogueのときに彼の神秘的なまでの美しさに突き動かされてほとばしる感情を書いたけど、まあ見事に今回もあれの冒頭全部当てはまるな、とはおもうんだけど。

別人か?

って感じじゃん。あれとこれ。
ペルソナ。さまざまな彼のペルソナ。
あのとき3種の表紙の違いにさえそれを感じたというのに、今回はまた全然べつのペルソナで現れた。

ちょっとわかったことがあって。
前回こころを撃ち抜かれたのは透明感だったとおもう。
今回のはね、したたかさ。

それがさ。
見事にこう、表裏一体というか、どちらにもあるのよ。
去年のVogueのテヒョンには透明感の奥底にしたたかさがあり、だからただあのデリケートでナイーヴな様を少年性と呼ぶのは避けたかったのだなとおもう。
そして今回のELLEのテヒョンにも、したたかさが内包する透明感があるの。
別人に見えるほど表現の仕方が違う。
同じペルソナの別の面ともとらえられるんだけど、でもナイーヴだけどしたたかな人もいれば、したたかだけどデリケートな人もいるわけで、多重人格のように別のものとも考えられるよね。
どちらも同じキムテヒョンという人がやっていることなんだけど、だってまずこれ、キムテヒョン🐻じゃなく、V🐯のペルソナ通してるからね。

彼がかつて悩んだと語ったキムテヒョンとVの乖離や差はうまく馴染んで共存してるんだろうなとわかる。
Singularityまんまか。
捨てなきゃいけなかった僕は本当は捨てなくてもよかったの?
だって僕を捨てた湖は凍ってもどうせ春には溶けて流れて行ってしまうんだからと
Vでいるためにキムテヒョンを捨てなくてもよくなった彼はだから、自由に行き来できる自分を手に入れたんでしょうか。
それでたぶん、その過程、道程にあるもの、キムテヒョンとVの間にあるものをぜんぶ自分として見せることができるペルソナとして数えるならば、
わーお。それはそれは今後もまだ見たことがない彼に出会えてしまうのだろうね。

ひとりの同じ人物ゆえに通底していることで彼特有の香りのような空気のような色のようなものを立ちのぼらせながら、そのとき見せたい、あるいは要求された見せ方で必要な部分を見せることができる。
だから求められるもの、必要なものが違えば、ただただゆたかな表現として多様な彼が彼を彩るんだね。
ペルソナを取り出す、という言い方を彼はしたけれど、これでしょ?って出して見せてくれるものがいつも多様でありながら、ああそうですこれです、みたいなものになるんだよね。
あとなんかあれだね。
僕を捨てた湖が凍っても、春になったらまた溶けて顔を出す僕が、そこにとどまって蓄積されていくものもあれば、気化して消えてしまうものもあるんだとおもうけど、なんかテヒョンてさ、タイミングさえあえばその気化して水蒸気になって上りゆく目に見えないほど小さな水の珠を眺めて愛しみそうなイメージあるよね。
全部個人的な感覚の話です。

それで、そんなこんなで(そんなこんなで)今回求められたものに応えたり、イメージしたものを作り上げたり、たくさんある中から抽出して見せてくれたりしたのであろうものがあの、また素晴らしい、また新しい、またレジェンドな、あれなわけですよ。

CELINEじゃないですか。
CELINE BOYとしてのお披露目的仕事第1弾でしょ。
てことはブランドのイメージとか今期のテーマとかをより魅力的に伝達するために彼がいるわけですよ。
やっぱりモデルってさ、その人が纏うことでいっそうファッションが素敵に見えなきゃいけないと思うんだけど、もうテヒョンと来たらそれはそう。くらい即座にそこはクリアするじゃないですか。
だけど彼のすごいところはもちろんそこでとどまらずに、生んだんですよ、ストーリー性を。
この人、なにしてこんなふうに生きてる、生きることになっちゃった人なんだろう、みたいな。
何をして生活して、何が好きでここはどこでどんな風に暮らしてて、この傷とか一体全体何があったの、どうしたの。みたいな。
このひとが何をしてるのか、どうしてこうなのか気になるんて、ものすごい興味じゃん。
知らないうちにいとも簡単にそれを引き出すことに成功しすぎてる。
なんなら、表紙を見た瞬間から。

CELINEとしてはこの2023SSはDYSFUNCTIONAL BAUHAUSとタイトルされてたようなんですが。
機能不全のバウハウス。なるほどでありなんじゃそらである。
わりとそういうタイトルだと言うならばその感じはあのタイトなヘアスタイルのモノクロページからは伝わりやすいかなとおもったんだけど、まあ知らん。雰囲気。
ショーだともっとモデルはスンってしてるからさ、ファッションショーってそうだからさ、テヒョンの血が通ってる感じが生々しくて、でも虚構でもあって、ああそういう表現があるのか、とも思うよね。
バウハウスってあれじゃん、シンプルモダンで機能美で合理的、みたいなさ(わたしなりの要約です ご容赦願います)。
それが機能不全だとしたら、ああ、こんなふうになるのか、みたいなものはテヒョンのこのグラビアからも感じるよね。
そのブランドの掲げたタイトル、テーマを、現地でショーを見たテヒョンはもちろん知ってるんだとおもうし、考えてみたりもしそうだよね。わかんないけど。
でもこのELLEの特集として、撮影テーマにそれがどこまで介入してるかもわからないでしょ。
だから全部想像なんだけど、このディレクションした方、うれしかったんじゃないかなあと思う。
テヒョンが素敵で。
きっと思った以上に表現してくれたんじゃないかなと思う。

リバーフェニックスとかやジェームズディーンに例えた方も多くお見かけしたし、その雰囲気は踏襲してると思うんだけど。
彼らの短いながらも充実して華々しくて悲しくてナイーブでドラマティックで伝説的な人生。
もちろん重ねることはやぶさかではない。とてもアイコニックな彼らのようにきっと、テヒョンも時と共にそうなる(彼らとは違い遠い遠い遠い、わたしが見届けられない未来でやさしくしあわせな閉幕を迎えることを心から願いすぎて内臓出そうになりつつ信じてるけど)。
だけどその特定の人物などはイメージ構成のモチーフの一端で、それをそのまま表現したかったんではないんだろうなと思う。
CELINEはエディスリマン就任前はプレタポルテのメンズラインはなかったから、就任するやいなやエディスリマンこれ得意ですこれです、みたいなロックで細い(細い)のどんどこ作って、まあみんなそのエディ節みたいなのが好きだからね、最初はセリーヌ節はどこじゃい!みたいにもなったけど結局エディの勝ちじゃんもう。
これがセリーヌオムですが何か?みたいになっちゃった今だからさ、そのエディ節+新しい感じ、みたいなのがずっとかっこいいからさ、その感じをテヒョンはとっても上手に表現したとおもうの。
生命力が確かにあってさ。
リバーやジミーのスナップってさ、なんか何気ない瞬間みたいなものでも人生を生きていました、みたいな厚みというか、確かにここにこの人がいました、みたいな存在感があるじゃないですか。
なんかそこが似てるなと思った。絵面、モチーフとしての雰囲気とかより。
きらめきの一瞬です、みたいな感じが。
その、生きてる感じがしたたかさに感じられるんじゃないかと思ったの。
だけど何か確実に、デリケートなものを抱えてもいて。痛みかな。そういうやつ。ヒリっとするやつね。これ前回のVogueにも書いたから、わたしの彼に対するイメージなのかもだけどね。
で、これはなんぞやと思ったんだけど、
全然本人がインタビューで語ってた。

InnocenceとMaturity 純粋と成熟 それぞれの意味とは。についてのはなし。
「純粋さはまだ経験したことないものがたくさん残っているという意味で、
 成熟は経験から出てくる、あるものだと思います」
言葉で説明するのは難しいと言いながら、いやそうでしょこれでしょわかるわって感じだし、もしその言葉で説明できないものがまだ彼の中にあるのだとしたら、それを表現したものがこのELLE Korea 4月号のグラビアなんだと思う。
経験したものから得た隠しようもなく匂い立つように見られるしたたかさと、まだ経験したことがないことがたくさんあると自認する自分の未知、可能性。そしてそれに対する不安や漠然としてる故に無責任にならざるを得ない系の、無垢さ。

だいたい撮影コンセプトってあるじゃん。
よくエディターズレターとかで書かれてるやつ。
あったのかもしれないけどほらなんせ韓国語読めないからさわたし。見つけられてないんですけど。
だからどっかに書いてあったらごめんなさいなんですが、この質問がもしかしてそうだったのかな、と思ったので。
だって、あまりにぴったりだったから。
純粋と成熟。
純粋の対義語は不純なので、相反するものというよりこの場合イメージの代名詞てきな使われ方をした単語だと思うんだけど。
未熟で熟れた。新鮮な百戦錬磨。初心な達観。みたいなものの、総合的なイメージとして目安に置かれた単語。
例えば星条旗のニット着てる子とタイトヘアの子が別人の設定だっていいんだよ。
怪我してるあの子と花をウエストに刺すあの子は別の子かも知れない。
テテは撮影のときにかかる音楽で表現が変わると言ったから、違う曲が流れていたのかもしれない。
撮影中何度かダンスしたという彼を見られないのかな残念だね。

とにかく彼は豊かな感受性で受信したものを表現する力に長けてるし、ファッション自体を普段からそう楽しむよね。
ソジニネでもあのグリーン系のはチェックのシャツのコーデ、ほんとかわいくて、裾をウエストで結んで出てきたときはきゃあ!って言っちゃったよ。
退勤前にちょっと被ってただけだけどピンクのキャップどしたのあれユミヌナの?
長めの白いソックスまで完璧でそのままローラースケート履いてアメリカンダイナーで働きな!って感じだったじゃん(ローラースケートあの子だめじゃん)(韓国粉食屋)
別の日にもさ、ヌナかわいい靴下ない?とか言ってさ あれはなんかシンプルなファッションにポイント欲しかったんだよね?
グリーンのラインデザインの靴下履いて来たときはやったね👍っておもったよ。
テヒョンと言えばその場に合ったBGM選択の第一人者なわけだけど、それはその場の雰囲気と人々の機微を察知してスムーズに記憶から導き出される音楽とのシナプスがとても精緻な働きをするからだとおもうけど、
ファッションにも同じような作用が働くんだよね彼は。
服を見たらどう着るのがいいかすぐわかるんだとおもう。
服ともすぐにともだちになる。
素敵なファッションと素敵な音楽があれば、彼はその場が求める正解を
例えば事前に誰かが想定していた正解と違ったとしても、あるいは求めていた答えにさらに加点評価ポイントをプラスして、提示してしまうんだろうな。

ほんと素敵だよ。素敵だよねだってほんと髪の流れ一筋、爪の形指の揃い方、肌の質感、何から何までそれがベストみたいだよね。
これ こういうのたぶんいつも言うから気にしないで。サビなので繰り返すんです。

インタビュー、とても良かったですね。この純粋さと成熟に関する話以外も。
お昼寝が人生でいちばんしあわせなんて、やさしくふくよかな毎日を思い浮かべてこちらまでしあわせをもらう。
サノク思い出すと泣きそうになるとかさ。こっちまで泣いちゃうよ、行ってもないのに。
でもあのステージと、ボムで見せてくれたあれと、Wラで来れなかった人の方が多いって言ってくれたこととかまでどばーーーーっと一気に押し寄せてしまうよね。

好きなことが上手になるためには努力をしなくてはいけません、と言うところもぐっときた。
練習はもちろん必要だけど、あんまりそうしてると最初の素直な好きの気持ちがどんどん減っていくように感じるかもしれないけどと語るのが、乗り越えてきたものの多さや目指すものの高さを感じさせてたまらなくあなたが好きです、と思いました(日記)。

ああそして、つらいとき、存在だけで慰めになる人がいるようにと語る彼が愛しく誇らしくうれしく、安堵する。
ただ好きな音楽やジャンルがあるだけで慰めになりますという彼が、それに出会えたこと、その過程にあったものすべてに感謝したい、こころから。
Stigmaわたしもだいすき。

長い話じゃないのにぎゅっとテヒョンが詰まったインタビューなんだよ。
好きなもののはなしが多くてしあわせ。
そこに垣間見える、努力と実績。言葉にしちゃうとチープだけど(わたしの語彙のせいだよ)、かけがえのない積み重ねてきた月日と得たものを感じる。
そうして築いてきた彼のたしかなセオリーやノウハウ、そして未だ手探りのものの存在も。
それこそまた、純粋と成熟の話でもあり。
この循環をとても大切なものとして記憶しておきたい。

そんなELLE Korea 2023 4月号のVの話でした。




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