伝統的な美しさと現代的な楽しさと 写真は2パターン撮っておこう
成人の日の時期になると思うんです。
年を重ねてから写真を見返しても、当時と同じように「よかった」と思ってほしい、ということ。
伝統柄の着物や正統派のポーズについて、若い世代があまり好まないのもよくわかります。
私も自分の振袖をつくってもらう時、その時流行っていた色や柄にしたいなと思いましたから。
(当時は濃い色でほぼ無地のモダンな振袖が流行でした)
着物を縫う仕事をしていた祖母や母に全力で止められ、1つ下の妹と共用だったこともあり、両方に似合う別の色柄にしましたが、今となっては言うことを聞いておいてよかったと思うのです。
「年を重ねたから」という理由では、ジェネレーションギャップでしょ、と思われるでしょうが、年を取るということは、何事においても見る目がついて、その年齢なりの見方に変わるということ。
10年、20年経った自分の写真を見て、恥ずかしい~という思いになるんです。
だからこそ、母親や祖母の年齢になったときを想定して、その世代の意見を取り入れておくといい。
……と、私も当時の母と同じような年になってみてわかりました(笑)
もちろん、今の流行や楽しさを残さなくていいということではありません。
昔よりも簡単に写真や動画が残せる、とてもいい時代になったので、両方やっておけばいいんじゃない?という提案です。
一方は「伝統的な美しさ」をテーマに
主に前撮りでやっておいてほしいことです。
着物姿がより美しく見える立ち居振る舞い、お化粧、髪型で。
一方は「現代的な楽しさ」をテーマに。
主に成人式当日、お友達と楽しみながらやってほしいことです。
当時はこういうの流行ってたよね、と懐かしく見返すことができるでしょう。
着物を着る以上、立ち居振る舞いは伝統的なものをベースにしたほうが動きやすいと思いますが、飛んだり跳ねたり、アクティブに動いてもいいし、お化粧や髪型、小物も自分の感性で楽しんでしまっていい。
成人の日は一年でも一番寒い時期ですから、足元はショートブーツにしたっていいかもしれないですよね。
ただし、着物を汚したり破いたりしないように、それだけは注意を!
花嫁には介添えが付きますが、成人式のお嬢さんには介添えはつかないので、前撮りは撮影用と考えてきっちりと、当日は動きやすさを考慮して着つけてもらうといいでしょう。
裾の長さや紐の締め方をちょっとだけ変えるだけで、ぐっと動きやすさが変わります。
着物自体は同じでも、着付けのしかたや小物合わせでぐっと印象は変わるもの。
レンタルの振袖なら、前撮りと当日で別の着物を着てしまう、そんな冒険もできます。
結婚式でも2パターンで
これは、成人式に限らず、結婚式にも言えることです。
和装の花嫁さんの写真をSNS等で見ると、願わくば2パターン撮っていてほしいな、と思ってしまうものが最近あまりに増えているので。
今はよくても、10年、20年経ってから残念に思うかもしれない……。
2度と撮れない写真だから、そうなってほしくはないんです。
余談ですが、私の成人式の写真も2度と見たくないものになっています。
当時は前撮りというものがまだ定着しておらず、成人の日の早朝に母の友人の美容室で着付けをしてもらい、写真館では1人5分程度で撮影されました。
ただでさえ写真が苦手なのに、無理やり笑わされたひどい写真が残りました……。
自分が化粧に疎かったのもありますが、半強制的に昔ながらの着物メイクを施される時代でしたし、髪型のリハーサルなんかもありません。
唯一の救いは、ポージングだけはきちんとできていたこと。
さすが昔の写真館、振付がしっかりしていたんですね。
翌年成人式だった妹はといえば……。
1年も前に振袖一式ができているわけです。
手配や送迎をした親も大変だったのか、前撮りをしたのです!!
ずるい、妹はトクだ、と今でも根に持っています(笑)
きっと今のお母さん世代は、成人式にしても結婚式にしても私と似たような経験をしているはず。
この提案にも前向きになってくれるんじゃないかと思います。
成人式、そして結婚式の準備をしている皆さん、2パターンの思い出をぜひ残してみてくださいね。
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ウェディング ナビゲーター
結婚式の専門家
清水 恩
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