ヒールとスーツ #KuToo に思うこと
女性のヒール着用既定の撤廃運動と、「#KuToo」のハッシュタグが話題になっています。
キャンペーンを立ち上げた石川さんご自身のコラムを読みました。
なぜヒールやスーツなのか?
私たちウェディング プランナー(当日立ち会うスタッフも含めて)にとっても、服装というのは切っても切れない要素。
結婚式というのは儀式の場に関わるフォーマルな席であり、お客様も礼装をする場なので、私個人はそういう場に合った失礼のない服装をする必要があると考えています。
フォーマルという点では、ヒールやスーツも必要なものという認識です。
石川さんの文章を読むと、ホテルや葬儀というお仕事での経験からこのキャンペーンを立ち上げられたようです。
同業、同カテゴリと言っていいと思いますが、フォーマルな場にふさわしい服装の一環で「パンプス」の着用が義務付けられた企業も多いことでしょう。
また、仕事柄「制服」や制服的な服装規定が存在する可能性があります。
制服というのはスタッフの服装を統一するためのものなので、自前の靴についても決まりごとが存在する可能性も高いわけです。
以前コンサルティングの仕事で伺っていたホテルに、膝を悪くして医療用の靴(がっちりした印象の黒いコンフォートシューズ)を履いていた方がいました。
そのホテルには「女性は制服+パンプス」という服装規定があったので、許可を得た上でその靴を着用しているということでした。
それについて、せめてヒールのないパンプスできないかとマネージャーの方にお話ししたのです。
ウェディングというものの特性上、イメージも大切ですし、会場見学のご案内が担当の、ファーストインプレッションが大事な仕事を担っていた方だったからです。
しかし、清潔感はきちんとあって、お客様に失礼のないスタイルになっていましたし、何よりセールスとしての成績も優秀だったので彼女が見学対応できなくなるほうが痛手。
服装は二の次だなと考えるようになりました。
フリーのウェディング プランナーの場合は制服もないですし、ある意味服装は自由ですが、私の場合はその場に溶け込む服装であることを大事にしています。
特にウェディング当日は、私たちもその会場のスタッフに見えなければいけない。
お客様のドレスコードがある場合はそれに合わせますし、カジュアルなレストランならスーツにしないこともありますが、ノージャケットで臨むことはほとんどありません。
結婚式をそれなりの会場で行えば、ゲストもそれに合わせてフォーマル度高めに装ってくるはず、スタッフもそこにフォーマルの度合いを合わせなければ失礼です。
スタッフであることがすぐにわかり、お客様が声を掛けやすい存在でいることはとても重要、尚且つ、目立ってもいけない立場なので、黒スーツはある意味便利なわけです。
身だしなみとおしゃれの違い
ヒール問題に戻ると「ヒールがないといけない理由」は誰も明確に言えない、というのが現実のようです。
前述の「フォーマル」に準じている、というのは間違っていないと思いますが、その高さに意味はないのではないかと。
きちんとした場で履く靴としてはパンプス、パンプスはヒールがあるもの、という程度の理由なのだと思います。
私が服装のマナーについて語る時には必ず「身だしなみとおしゃれ」の違いを伝えますが、おしゃれは自分のために、身だしなみは相手のためにするもの。
仕事における服装として重要なのは「身だしなみとして整っているかどうか」です。
きちんと見えれば、ヒールの高さは関係ない。
服装とのバランスによっても変わりますし、正直、体型によってもきちんと見える高さは違うはずです。
10㎝を履くのがポリシー!という人もいますが、スタッフの立場では、逆に高いヒールはふさわしくないですよね。
私の現場に10㎝ヒールを履いたスタッフがいたらNGを出すでしょう。
高さよりも「ふさわしいもの」という規定に
女性だけヒールを履くのは、差別というのには少々疑問を感じます。
現代のマナーがそういう考え方だから、なんとなくそうなっているだけ。
歴史的にはヒールの靴というのはそもそも男性の履くものだったし、後にそれを女性も履くようになり、男性は逆に履かなくなった、というだけのこと。
ただ、そういうぼんやりした理由でできている規定ほど、意味のないものはありません。
ヒールの高さについては、選択の幅がかなり広がっています。
私が仕事を始めた頃は、パンプスにそれほど選択肢はなかったと思うのですが、今はフラットや低いものだけでなく、ソールがスニーカーと同じような素材のものなど、いろいろ工夫できますから。
形はパンプス型で統一すれば、制服にも合いますし。
もし靴の形や高さを規定したいなら、疲れないものを支給すべきかと。
健康を損ねて困るのはヒールを履く本人、会社がその後を保障してくれるわけではないですから、健康を守れる状況を作っていくべきでしょう。
あるべき身だしなみのイメージを定めて、それに「ふさわしいもの」とすればいいと思うのです。
若い頃は高いヒールへの憧れや、スタイルよく見せたい思いもあって、私も5~7㎝のヒールを履いていたもの。
車の販売をしていた頃も基本はヒールでしたが、営業前の洗車とか納車の準備で掃除などをする際はちょっと大変でした。
今なら絶対にスニーカーに履きかえますが、当時はそのままやっていたし、若いのでどうにかなっていました。
(愛車がマニュアル車だった時期は流石に出社してから履きかえていましたが)
身だしなみ+おしゃれを優先できるのは若い頃だけだなぁとつくづく思います。
ということで、靴については永遠なるノマド状態です。
ここ最近、フラットパンプスを探していたのですが、先日疲れにくいと評判のブランドでいいものを見つけたので購入。
どれだけ疲れないのか、楽しみです。
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ウェディング ナビゲーター
結婚式の専門家
清水 恩
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