皇室に対する敬語はかなり特別って知ってる?
ご譲位の日が近づいています。
今上天皇のご退位は寂しい反面、皇太子殿下のご即位はこちらも新しい気持ちになりますね。
ご譲位という出来事は国民すべてが初体験ですが、新しい時代・令和をお祝いの気持ちで迎えられるのは嬉しいことです。
皇室の話題が増えると、それに伴って敬語に触れる機会もぐっと増えます。
昨今の接客周りの状況を考えると、タイトルのような問いを投げかけたくなるのですが、皆さんどうでしょう?
新入社員がまだ研修中のタイミングなので、ご譲位関連のニュースなどを見聞きした新米さんたちが、そのままお客様に使ってしまうのではないかと心配にもなります。
敬語の間違いに「二重敬語」というのがあるのですが、皇室の方々についてだけは特例。
敬語を重ねて使う場合もあり、それが正しいのです。
(使い方は二重敬語そのままではありませんが、ここでは割愛)
「お」や「ご」といった接頭語も、普段ならつけないものにまでつけたりしますし。
日本語は昔から主語がないのが当たり前の言語。
私が学んでいた平安文学もほぼ主語がない文章なので、文体などから主体が誰かを判断する必要があり、その最もわかりやすいのが皇室関係の人たちでした。
なぜなら敬語が他と違うから。
逆に言えば、皇室以外の人に敬語を重ねて使うことは基本的にありません。
丁寧ならいいというものではないわけです。
二重敬語の間違いが頻出するようになったのは、その辺りの認識が薄くなっているからではないかと思うのです。
二重敬語でなくても、敬語をやたら”盛って”使う要因もそこにあるのではないでしょうか。
「~させていただく」なんて最たる例かもしれません。
「~させていただく」も間違いばかりではなく、正しい場合もあるのです。
例えば「相手の許可を前提にした自分の行動」などでしょう。
そういえば最近、「出張で●●に来させていただきました」と書いていた人(それもマナー関係らしい)がいて、かなり驚いた次第(笑)
敬意の対象者がいないのですから、丁寧にするにしても「お伺いする」で十分です。
私は「敬語は引き算」だと思っているのですが、それについていろいろ書き始めると長くなるので、今日はここまで。
接客業にありがちな「ございます文章」もかなり気になっているので、いずれ考察したいと思っています。
画像は先日見に行った展覧会のときのもの。
天皇皇后両陛下のご装束を間近で見ることができました。
天皇陛下のご装束は「黄櫨染(こうろぜん)」という天皇だけが着ることのできる色の袍です。
皇室が存続によって継承されてきた日本の文化の多さを実感する機会にもなっていますね。
新しい時代を楽しみに迎えたいと思います。
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清水 恩
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