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アートの起源に触れる体験 『江之浦測候所』

神奈川県にある『小田原文化財団 江之浦測候所』に行ってきました。

○ 江之浦測候所とは?

現代アーティストの杉本博司さんが立ち上げた『小田原文化財団』
その拠点が今回訪問した、『江之浦測候所』です。

小田原文化財団は、古典演劇から現代演劇までの伝承・普及、古美術品等の保存・公開、現代美術の振興発展に寄与することを目的とし、2009年、現代美術作家・杉本博司により設立されました。

2017年秋に開館した「小田原文化財団 江之浦測候所」を拠点にして、神奈川県及び小田原市との協力関係のもと、活動を続けています。


杉本博司さんは、写真『海景』シリーズが有名ですが、その他にも彫刻、インスタレーション、建築、造園など幅広く活動しています。

この場所は、杉本博司さんによって、芸術の歴史を遡って見つめ直し、これからの人類が向かうべき行き先を考えるために設計されました。

アートは人類の意識の最先端を映し続けてきた。洞窟壁画から始まり、神や王の象徴としての役割を果たしてきたが、現代では表現対象を見失っている。今こそ、意識の起源に立ち返り、その由来を見つめ直すべきではないだろうか。

小田原文化財団「江之浦測候所」は、このような意識のもとに設計された。古代人がまず行ったのは、天空を測り、自らの場を確認すること。それがアートの起源でもある。冬至や夏至、春分、秋分など天体を見つめ直すことで、未来への微かな糸口を見出せるのではないかと考える。

○ アクセスと予約方法

事前予約制で、午前の部か、午後の部かを選びます。各回定員が決まっていて、完全入れ替え制です。
車で直接行くか、JR 根府川駅からシャトルバスが発着します。

○ 当日のアクシデント

当日、JRが1時間程遅延したため、午前中のシャトルバスに乗れませんでした!!
電話で午後の回に変更できないか聞いたところ、満員の為できないとのこと。。
結局、タクシーで向かうことに。約2,000円かかりました。
また、午前の回の時間が10:00〜13:00と決まっているため、1時間15分くらいしか滞在できませんでした。仕方ないこととはいえ、ガッカリ😞

○ いよいよ入館

待合棟へ。地下のコインロッカーへ荷物を置きに行きました。

壁、床、天井と素材の違いが
和と洋
陰影がカッコいい
ちょうど日が差し込む
受付カウンター
屋久杉のテーブル

なんともかっこいい空間でした。スタイリッシュだけど、どこか落ち着くのは、天然の木や石を使っているから。不揃いさや表情があって圧倒しすぎない。
時間があれば、ここでのんびり過ごしたかった。

○ 敷地内は自由に回れます

敷地内は広く、順路や立札がありません。
受付で渡されるパンフレットの地図を見ながら、自由に回れます。

○ 夏至の道

海に向かって延びるギャラリー
一枚のガラスのよう
外と内

ここは、「夏至光遥拝100メートルギャラリー」
海抜100メートル。
夏至の朝、海からの太陽光が駆け抜けるそう。

ギャラリー内には杉本博司の作品が展示されています。


私のシルエットが、、紅葉も映ってますね
これは湖だったかな?
壁に寄るとこんな表情 大谷石


ギャラリーの二箇所の入り口にあった謎の棒

○ 冬至の道


遠くに光が 
途中の空
光が強くなって
外の世界へ  止め石が置いてあり、これより先はNG

冬至は一年の終点でありまた起点である。
日が昇り季節が巡り来ることを意識化し得たことが、人類が意識を持ち得たきっかけとなった。
こよ「人の最も古い記憶」を現代人の脳裏に蘇らせる為に、当施設は構想された。

冬至の朝に昇る太陽の光が、この道を貫くとあります。


冬至の道と平行に、海に向かって舞台が
光学硝子が乗っているのは、、
清水寺で知られる、檜のかけ造り
石造りの観客席

観客席はイタリア古代ローマ円形劇場遺跡を実測し再現したという、こだわりよう。
なにより、この景色!

遮るものがない


大理石の生命の樹

○ 茶室


茶室 雨聴天(うちょうてん)
トタン屋根 雨がトタンに響く音を聴く 雨聴天
たった2畳ながら、完成された空間

○ その他


夏至の道を下から見上げる


石造鳥居
石と石
竹林の道があり、散策できる
室町時代の名月門
カフェスタンドの前のテーブル席

○ 意味と狙いがある

事前にサイトを見ても概要が掴めず、一体どんな場所なのだろう?と思い向かった江之浦測候所。
トラブルがあり、充分な時間がない中で駆け足で回りました。
パンフレットと照らし合わせることができず、感覚だけで体験。
気の向くまま行ったり来たり。じーっと見たり、あーだこーだ話したり。
全集中して存分に楽しめました。

そして、今、この記事を書きながら、パンフレットを見返して再び楽しんでいます。
人類史やアートについての知識を得てから再訪したらもっと楽しめそう。

満月の日の観覧会や冬至光を遥拝する会なども開催しているようです。特別な体験になりそうですね。


おわり

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