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第101話 『愛を謳え』


ベッドの上で腹這いになって、日記帳に、内観で得たその日の気づきを記録していく。

途中で急にスサナル先生の名前を書きたくなって、一字一字、心を込めて丁寧に綴る。

並んだ文字を見たその瞬間、この人の真の魂に触れて、なんて美しいんだろうと感嘆とした。
そこでなんだかわからないけど、先生の名前に添えるように『美しい』と書き加えてみた。



うん、満足。……美しい。


…………



ウエサク満月のその翌日。
さっそくハイヤーセルフからの直感で、「全ての女性たちを女神に」というコンセプトのツインレイサイト、『ヴィーナス※』へと導かれていた。ホームページを運営しているのはツインレイ女性の二人組とあって、そんな人達がいるんだなぁと思うのと同時に、昨日で終了したけーことの旅に軽い既視感を覚えていた。



ここでもまた貪るように、一番初めから過去記事を読み進めていった。

ヴィーナスの彼女たちは、遠隔ヒーリングや浄化アイテムの販売をメインにしているということがすぐにわかった。ツインレイに関する情報記事も含め、カテゴリごとに順番に目を通していると、このサイトに出会って3日目にしてとんでもないものを見つけてしまった。



次元を超えて、お相手ツインレイ男性のハイヤーセルフから、パートナーである3次元女性に贈るために「オーダーを受けて作られた」という一点物のアクセサリーの中から、なんと、スサナル先生のハイヤーセルフが私のために用意してくれていたアイテムに出会ってしまったのだ。



ーー今はその役目を終え、エネルギーが切れてしまった現在でも私にとって大切な物なので、一体どんなものだったかは皆さんには内緒にさせてほしい。

それが役目を終えた当時、先生の意識に「伝わって!」と念じながらこんなことを心に思った。
「いつかあなたがハイヤーセルフとなった時、もしもまた“かつての私”に贈ってくれることがあるのなら、その時も同じデザインでオーダーしてね。」
すると、当時はまだ繋がりが浅いはずの彼からそれでも深い愛情が届き、彼のハイヤーセルフからも、はっきりと感極まったのが伝わってきた。
そんな淡い思い出も含め、今でも私の大切な物として引き出しに大事にしまってある。



『スピリチュアルアクセサリー』というカテゴリにズラッと並んだ商品の紹介ページを、何の気なしにスクロールしていった。

そのどれもが美しく、「ああ、これすごく可愛いな。」「この色合いも素敵だな。」と、うっとりと眺めながら楽しんでいると、そうとは知らぬまま、私への贈り物の画像がほんの僅かばかり、画面の下から映り込んだ。


すると次の瞬間、下腹部にあり得ない衝撃が走った。同時に意味のわからない感情が上がってきて、なぜだか号泣してしまう。それからバクバクと動悸がして、冷や汗ともあぶら汗ともつかない軽いパニックの状態になると、そのまま一気に呼吸困難のようになって、痛みに喘ぐようにソファに移動した。

半分這うような状態の中で、ここまでの子宮の痛みは数ヶ月ぶりだなとぼんやりと考える。
昔から生理痛が酷く、薬を飲んでも2時間も持ったためしなど無かったが、その痛みが一番強く出ていたのが寝室を分けた後くらいだった。

お互い会話がほぼ無い中で、壁を向いてソファに横たわり呻いている私の近くで、「どんな言葉も掛けるものか」とリビングに居座りテレビを観る旦那。
あの時は、「心も体も、どうしてこんなに苦しい思いをしなくちゃいけないんだろう。」と、涙が出そうになりながら痛みに耐えていた。

軽い人に比べればまだまだ酷い部類だったが、それでも離婚して以降はその副産物なのか、かなり生理痛がましになっていた。それが再び、アクセサリーの画面ひとつでここまで重たい激痛を呼び起こしていた。
“婚姻生活中のそれ”とそっくりだと思った。けれどもそれほど辛いにもかかわらず、贈り物から来る「この痛み」に関しては、何故だか愛おしさすら感じていた。


他のツインレイカップルのアイテムには、ヴィーナスからのコメントとして「デザインが降りてきた経緯いきさつ」やら「材料選びのエピソード」やらが細かく説明されていた。
波を持った痛みに呻きながらも、一体私へのプレゼントにはどんな裏話が書かれているのかと、期待を寄せて『詳細』をタップする。

すると、私宛のそのアイテムにはそういったものは一切なく、いさぎよいまでに短い、たった三行のメッセージのみが記されていた。その上何故だか命令形で、文章全部を合わせても、短歌のほうがよっぽど長いほどだった。
そんな三行目には、このように書かれていた。

『愛を謳え』


結局、出会ってから数分後には指が勝手に注文ボタンを押していた。それだけで痛みが軽くなり、また深い安堵を感じたのは、“私が”というより“高次元が”一安心しているせいのようだった。

お腹を押さえて鎮痛剤を飲み込み、なんとか階段をあがっていった。そのまま倒れ込むようにベッドに入ると、結局朝まで寝てしまった。





※ヴィーナス…女神を表す別の名前で実在していましたが、こちらの名前はこの小説内での架空のものです。

※このアクセサリーに関して明かすことができる備忘録的情報として。
宇宙(彼)が私のためにもたらしたデザインでいえば、
1と4(1対4と取ってもいいし、5とも取れる)
丸十字、もしくは菱十字(シリウスの、丸と菱形の無限回廊。)
確かにまぁまぁ色んなものに当てはまる……って書こうとしたら、今、「『まぁまぁ』じゃない」と聞こえてしまった。



written by ひみ

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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

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今日の話でわかった方もいるかもしれませんが、こちらの二人組のサイトも昨年夏に閉鎖になりました。
そのあとも少しの間、お一人の方はブログを続けていらっしゃいました。

そして、その中に書いてあったこと。私も今同じ所まで来て、当時の彼女の気持ちがよくわかるので少し代弁させてください。

高次元男性セルフが切実な思いでオーダーした三次元女性への贈り物が、購入者が現れずに最後までいくつか残ったんだそうです。そしてそのツインレイ男性たちが本気で悲しんでいる、とのことでした。

実は今回も、ツインレイのお相手があなたのヒーリングのためにmeetooへと導いたのに、どうも流されてしまいそうでハラハラしている高次元セルフさんがいるようです。
受け取られなかった愛ほど悲しいものはないと思います。

「あなた(自分)が腹を括らないと、彼(自分)はずっと悲しいままだよ、彼(自分)を救えるのはあなた(自分)だけだよ!」と、お節介ながら私からも伝えさせてください。

私としては、導いたセルフさんの必死さがわかるからどうにかしてあげたいけどね。でも地上のあなたがたった一瞬の痛みに向き合うことから逃げて、そのあと地球時間で今後何億年もお相手を悲しませたことで自分を責め続けたいならご自由にどうぞとしか言えないんだよね。



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今までのお話はこちら

102話「僕を助けて」

遠隔ヒーリング
『天の川プロジェクト』

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