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海外和食のガラパゴス化、僕が全て暴露しよう。

今日は少し辛辣な事を書いてみます。

海外で飲食業を営んでいる古い世代の経営者には、未だにご自身が日本を離れたときの日本の飲食業の当たり前をそのまま踏襲している方が、実は少なくありません。10年、20年前、それ以前に日本を離れ、海外和食の黎明期を築いた方々で、その先人あっての今の私たちの仕事だと思っています。その道のりは決して容易なことではなかったと思いますし、その大変な試練を乗り越えられてきたことに深く敬意を評します。しかしその反面、負の遺産も決して少なくはありません。

10年、20年、あるいは30年前の日本の飲食業がどんな世界だったか? 今の日本でそれを語ったところで、どれだけの若い世代の調理師の心に響くでしょう?

閉鎖された封建社会、厳しい年功序列制度、残業や休日出勤はしてナンボの世界。パワハラやモラハラは叱咤激励と思え、敬う先輩上司の絶対君主。それがひと昔前の飲食業のありふれた世界でした。今日そんな飲食業は世間に通用しないし、自然と淘汰されているはずです。(もしそんな会社がまだあって、そんな苦しい思いをしている方がいれば、迷う事なく一歩踏み出す事をお勧めしますが)

しかしそんな会社が海外ではまだ存在したりするんです。

海外移住の最大の壁は「就労ビザ」です。国によって様々なビザが存在しますが、留学ビザやワーホリビザを経て、さらに滞在を伸ばしたいときには手っ取り早い手段としては、現地の会社に就職する「就労ビザ」が挙げられます。しかし語学もまだ十分ではない、即戦力となるスキルもない、コネもお金も時間もそれほどない。そんな時に駆け込みやすいのが飲食店です。学生時代に居酒屋でちょっとバイトした経験がある、カフェで接客のバイトくらいならしたことがある。キッチンなら語学も必須でないし、ウェイター、ウェイトレスなら難しい語学もそれほど必要なわけではない。社員になればビザも取ってくれてありがたい、ラッキーこれでもうしばらく欧米での生活を楽しめる。

ここに大きな落とし穴があるのです。

海外で「老舗」と呼ばれる和食店に就職される場合は特に注意をした方が良いです。と言うのは、先に述べた石器時代の旧日本飲食業界の常識をいまだに踏襲したまま、アップデートすることもなく、これまでの海外和食を牽引してきた実績と栄光にすがっているオーナーがいるわけです。僕はこれを「海外和食のガラパゴス化」と呼んでいます。

彼らは税金や保険を誤魔化すために給与明細や売り上げをチップを回収することで操作したり、その国が定める労働基準を無視した労働を課したりします。その不正を知っても、現地の言葉や文化に不慣れな者が正面切って争うことはなかなか難しい。欧米では真っ先に裁判沙汰になり、そんな会社は税務局や労働局の査察が入って営業停止や経営者の刑事罰が発生するところですが、そんなケースに発展することなどまずないので、結局彼らのガラパゴス進化はさらに進むことになります。

そんな目に合わないためにどこに気をつけたら良いのか、僕が全て暴露します。

つづく→

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辺境料理人
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