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不可逆あれこれ9 「"なんだってできるさ"」

#夏に見たい映画  にも乗っかってます。

「"なんだってできるさ"」

スタンド・バイ・ミーという映画がある。

ずっとずっと大好きで、何度も何度も観ている映画。

あらすじは後で書くとして、終盤、自分の街に帰ってきたゴーディとクリスが秘密基地の前で話すシーンがお気に入り。

「一生この町にいるのかな」というクリスに、ゴーディがいう。

"You can do anything you want, man.”

「君が望むなら、なんだってできるさ」

自分の劣悪な家庭環境から、どこか自分自身を諦めていたようなクリスにかけた、暖かい、言葉。

ああ、ゴーディにはクリスが、クリスにはゴーディが、一番いてほしい時に近くにいてくれたんだな、と思う。

本当に、いい映画。

でも、と考える。

現実はどうか。

昔なら、言えたかもしれない。

親友に、彼氏に、「何にだってできるよ!何だってなれるよ!夢、諦めないで頑張ろうよ!」と。

でも、今、夢見る誰かの背中を、心から押すことができる気がしない。

だって、現実は甘くないの、分かってる。

例えば私が願っても、ひっくり返ったって国連のトップにはなれっこない。

芸術とか芸能の世界だって、ほんのほんのほんの一握りの人しか、成功できない。

なんかもう実感として分かってる。努力でどうにかなるわけじゃない。努力はデフォ。才能+運+努力。

そんなことが分かっているから、無責任に、素直に、頑張れ!なんて言えない。

頑張れば夢は叶う!というキラキラした希望をどこかで信じた心、人にだって曇りのない眼で言えた励まし。

がっつりと、失ってしまったなと思う。

今は、一生懸命等身大の野望を引っさげて、毎日を生きている。つもり。


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せっかくなので映画のあらすじと感想も。

1960年代のアメリカ、キャッスルロック。
両親が溺愛していた兄が死んでから、家では”見えない子”になってしまった主人公、ゴーディ。
酷い家庭環境でも、自分を失わず、不良に落ちてしまうことを何より恐れるクリス。
暴力を受けてもかつて軍人だった父を慕い、自らも軍隊に憧れるテディ。
この冒険の発起人で臆病者でふとっちょのバーン

12歳の4人は、なりゆきで行方不明の同い年の少年の死体探しの旅に出る。
危険な目にも合いながらやっと少年を見つけた時、そこに歳上で絶対的地位を持つ不良、エースがやってきて、、、

どうしようもない家庭環境で、諦めの中で大人にならざるを得なかったクリスが、ゴーディという友を得て希望を持つさまに感涙です。


クリス役の リヴァーフェニックスがまたいいです。悟ったような眼差しがいい。23歳で死んでしまうなんて、もったいなさすぎる。

音楽とか車とか、どことなく懐かしいアメリカの雰囲気も感じられるのも見どころです。

実は本を先に読んだのですが、本もおすすめ!

映画とは少し違う部分もあって、より深く楽しめると思います。

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これ、#夏にみたい映画 のタグしてみたけれど、実は中編で構成される「恐怖の四季」の中の秋の物語で、夏の物語ではないのです。

だから厳密には夏より秋なんだけど、フライングで夏に観たい映画にしました。

タグしておいて何ですが、秋と子供時代の終わり、というのはとても相性がいい気がします。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

感想関係はこちらのマガジンにまとめています。

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