悲しみの感じ方は親子だって違う-夏に観たい映画-
夏に観たい映画。
「永い言い訳」という映画を観た。
そこで胸締め付けられたのが、主人公よりも、妻・母親に先立たれた親子の、悲しみと、悲しみへの反応。
竹原ピストル演じる父親は、泣いてばかりいる。妻の死をずっと受け入れられなくて、一人の時だって、子供の前だって、会いたい話したい忘れたくないと泣きじゃくる。真っ直ぐに、ある意味臆さずに悲しみと向き合う。
でも、子供は、葬式で泣けなかった。その時父親に、お前は悲しくないのかと聞かれたことが、傷となって残っている。
当たり前だけど、悲しみの感じ方だって、その表し方だって隠し方だって、ひとそれぞれで違う。
もちろん、親子でだって違う。
でも、耐え難い悲しみだったからこそ共有したかった父と、きっとまだその悲しみに付き合う演技ができるほどは、自分の思いをうまい言葉にして伝えることができるほどは大人でなかった子供。
切ないな、と思う。
いつだか子供は、お父さんだったら良かったのに、と言ってしまった。それはそのまま、その子供の方の心を傷つけ続ける。
愛はあるのに、どうしてもすれ違ってしまう親子だって、いる。
いや、多かれ少なかれ、きっとどの親子にだってある。
それを、もう埋められない溝にしてしまうかどうかも、実は紙一重なのではないかと思う。
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一応映画のあらすじも。
作家の幸夫(本木雅弘)は、ある日バス事故で妻(深津絵里)を失う。妻が死んだ日、彼は不倫していた。
妻と一緒に亡くなった妻の親友の夫の陽一(竹原ピストル)と知り合いになった幸男は、トラック運転手で不在の多い彼の子供たちの面倒を見ることにする。
子供を作らなかった幸男だが、やがて子供達が大切なものになっていき、満ち足りた生活を送っていた。
ところが、あることがきっかけで、幸せな毎日を自分で壊してしまう。
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主人公がクズなんだけど、クズなりに色々と感じてもがいて、前を向いていくのがいい。
あと個人的には、竹原ピストルが、すごく良かった。強面で荒削りで、でも優しくて泣き上戸で。ぴったりだった。
そして印象的なのが、幸せな日々の象徴としての、海水浴シーン。
光に満ちて、明るくて。余韻が残ります。
まさに、#夏に見たい映画 です。
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