スパイス
結局の所、
私はうつ病になって会社を辞めた。
異常な社風、異常な労働時間、異常な上下関係、異常な仕事量。
異常が異常なまでにのさばる世界では、時として異常は異常では無くなる。無くなっていた。もはや通常だった。長年溜まり続けていたストレス、睡眠不足、その他諸々により、私は完全にうつ病患者となった。
うつ病になったので会社に行けません、と言った後も、異常な人間達は電話やLINEで私を追い詰め続けた。もう、異常を通り越して狂気の沙汰だった。
しかし、私はそんな人達を全く恨んで無い。これっぽっちも。怒りや悲しみがまるで無い。むしろ感謝をしているのだ。こんなつらい思いを経験させてくれて。と。そう話すと、母は理不尽だと少し怒るのだが。つらい経験は出来ればしたくない。だが、つらい経験こそ人を何倍も成長させてくれる。人生を豊かにさせてくれる。
一種のスパイスだ。かなりポジティブに表現すると、だが。
いつか、どんな人も癒せる、そんなカウンセラーになりたい。
最後まで意地悪をして私を追い詰め続けた同僚や、最後の最後まで理不尽な言葉を浴びせ続けた上司。
そんな人達をも、癒せるカウンセラーに、私はなりたい。
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