無人島に街をつくる方法とは。メディヴァのコンピテンシー(行動規範)①誕生秘話
この言葉は、私たちメディヴァの社員が仕事をする上でのスタンス「何もない(前例のない)ところに新しいものを創造していく」ことを表現しています。
社内の全員が大切にしている言葉であり、正式なコンピテンシー(行動規範)ができる前には、メディヴァの「姿勢」を包括的に表したいわば前身です。
このほかにも、コンサルタントとしてクライアントや社会の課題に対してどのように考え取り組むるべきか、を表す「提案し、実行する『コンサルティング・オペレーター』であれ」など社内の共通言語はほかにもいくつもあるのですが、それを「コンピテンシー(行動規範)」という形で取りまとめたものはありませんでした。
どれも抽象度の高い表現を使っているのは、メディヴァの自律を重んじる方針や自由さを大切にする社風とも関係しています。
今回のコンピテンシーの制定で、これまで各人が自律的に取り組んでいた「無人島の街づくり」に【どのように思考し行動すべきか】【どんなマインドセットが必要か】という指針を改めて示すことになりました。
このnoteではコンピテンシー制定のプロセスについて、
どのように定めていったのか
どんなアウトプットになったのか
社内の反応
制定後の社内の変化
これらの観点でご紹介します。
メディヴァのコンピテンシー(行動規範)がつくられた背景について。
小規模の組織では、社員の誰もが経営陣の仕事ぶりを直接身近に見ることができたり、経営陣からも社員一人ひとりの行動や業務に対するフィードバックをこまめに行うことができたりします。
社員が増え、組織が大きくなってくるとともにそれが難しくなり、何らかの指針や規範が必要となってきます。
メディヴァもこのフェーズにあり、メディヴァの強みである革新性や変化に対応できる柔軟性を確保しつつ、人材がしっかりと育成され、組織が安定して成長できるためのルール化の在り方が、役員会やマネージャー会議にて都度議論されてきました。
この過程では、役員やマネージャーの間だけでなく社員の中でも、組織化が進む上での業務の固定化や効率化、それに伴った個人の自由度の(ある程度の)制約などから、これまで通りに自由を尊重してほしいという気持ちや、反対に業務が分業化・ルール化が未整備な部分への不安も生じるなど、さまざまな立場同士の間で考え方に摩擦が生じることもあったと思います。
そもそも「自律」や「自由」が本質であったメディヴァにおいて、「規範」や「ルール」といった言葉がマッチしない懸念もありましたが、”メディヴァらしさ”とは何か?ということを議論し『言語化』することが重要で、そのことがこれからの文化・風土の醸成となることを期待しながら踏み切りました。
策定のプロセス
人財育成への想いをもったマネージャーの全社横断チームで委員会を発足
マネージャー会議から議論が始まったこともあり、マネージャーの委員会活動の一つである「人財委員会」で検討することにしました。
人財委員会は、実務的にも現場で組織のマネジメント運営に携わるマネージャーが集まっていて、特に育成や成長に想いをもったメンバーで構成されています。
「無人島に街を作る」というキーフレーズから出発した策定プロセス
下記のようなプロセスで「メディヴァらしさ」の言語化、コンピテンシーへの表現調整は進められました。
▼言語化するための切り口は、大きくはこの3つです。
▼具体化のプロセスは以下のような流れで行いました。
このようにまとまりました
概要
それぞれの要素の捉え方について
コンピテンシー(行動規範)を策定したメリット
組織の観点
コンピテンシーは、メディヴァで成果を出してきた思考特性、行動特性をまとめたものになります。
従来は、上司が、ロールモデルとなり部下を育成してたケースが多かったのですが、経験やスキルの多様化や変動の大きい社会概況などから、上司の成功体験が部下を成功に導くものでもなくなっています。
コンピテンシーがあることで、部下にとって必要な成長や育成を客観的かつ論理的に捉えることができ、評価につなげることができるようになりました。
上司の役割は、お手本を示すことから、部下がどのような成長を目指しているか規範を元に理解したうえで、良きコーチとして関わるというように変化することになります。
社員一人ひとりの個性や特性を尊重するということは前提ですが、”メディヴァらしさ”を継承していくことにおいて一定の認識で受け継がれていくことを狙いとしています。
個人の観点
個の時代、多様性の時代と進む中で、自分で自分のキャリアを考えて構築していく時代になっています。
自分のキャリア戦略とコンピテンシーを比較してもらうことで、メディヴァでどのようなキャリアを歩めるかを考えるツールとして使ってもらうことが可能です。
また、日ごろのプロジェクトや業務の中で、どのように動けば良いか、といったことや、迷ったときにこのコンピテンシーに立ち返って考えることができます。さらには部門を横断することにおいても、意見が分かれた時の判断規準にしてもらえることを狙いとしています。
制定後の社内の変化
導入時の反応は、基本的には好意的に受け入れられていると感じます。
また以下のような感想や、より納得感のある運用にするための具体的な意見も飛び交っています。
各部門にコンピテンシーをベースにした達成基準があることで、部署間の不公平感はなくなるように思った。
各部門で効果が出るような使い方をマネージャー内で都度話し合い、目線を合わせておきたい。
運営支援先の各施設のように、部門は同じでも施設ごとに特性がある場合は施設毎に違う達成基準を設けておきたい。
仕事が定型化できる部署(専門職)は、ジョブディスクリプションも作成したい。(書いてあること以外しなくても良いと捉えるのではなく、活動の幅を広げるという位置付けのもの)
一人一人でアウトプットのイメージは違うので、マネージャーは個別に一緒にゴールイメージを作っていくような関わり(コーチング的な関わり)をどうつくっていくかを考えたい。
コンピテンシーをより根付かせる取り組み
活用シーン
社員個人:年2回の自己評価の際に、自身の行動とコンピテンシーと照らし合わせて評価を行う。
組織:評価会議・評価フィードバック等、人財育成について話し合う機会で使われる。
浸透を促す活動
浸透させるための活動は、基本的には評価時にコンピテンシーと成果の関係を振り返ることと考えています。
具体的には、各マネージャーがコンピテンシーと実際の優れた行動に差異があるなど気づいた点を共有しブラッシュアップしながら、コンピテンシーの信頼性を高めていきたいです。
最終的には、採用規準→育成プログラム→評価規準が一貫し、社内の共通言語となっていけるような浸透を目指しています。
現状、自己評価と連動していることで一定以上は浸透していますが、全社員が正しく理解し活用されているかは、今後、メディヴァが社会に提供している価値がこれまで以上に高まることで証明できることだと思っています。
コンピテンシーがつくるメディヴァの未来
今回「メディヴァらしさ」を言語化できたことで、メディヴァの全員が改めて”メディヴァらしさ”を同じ軸で考えることができるきっかけとなったことがとても良かったと思います。
策定のプロセスの中では、より多様な人材が相互に理解を深め、一緒に仕事をしていける可能性を感じましたし、自分らしさ、自分の強みをどう活かしていくか、内省する機会も持てました。
そして評価の中身が、より客観的になり、また、人財育成についてもより具体的なアプローチが示されるようになりました。
策定にあたって何より重視したのは、コンピテンシーが各々で実践され、浸透していくことで、メディヴァの社員が成長し、その成長を実感してもらえることです。
そして、そんな社員が集まるメディヴァが、社会課題を解決し、社会に提供できる価値が高まることを期待しています。
またメディヴァの社員が、それぞれ自分らしいキャリアについて考え、実現へのアプローチが図られていくことを予感しています。
メディヴァに興味を持った方へ
メディヴァはさまざまな職種で通年採用を行っていますが、詳しく聞くまでは特定の職種に絞ることがむずかしいと思われる方も多いと思います。
そのため、「職種を決めずに応募する枠」も用意してあります。気になった方はぜひそちらを選択のうえご応募してみてください!
多くの方の思いをしっかりと聞かせていただきたいと思っています!
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