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メディカルイラストレーターの仕事環境 第2話(全2話)

メディックメディア メディカルイラストレーターグループ(MIG)のエイリアンです。
前回に引き続き、私たちMIGの仕事環境を紹介します。
今回は主にソフト面をまとめました。

この記事のまとめ
・書籍データはAdobe CCで作っています
・イラストやラフはiPadと好きなソフトで作っています
・動画や3DCGも作り始めました

誌面制作はAdobe InDesign+Illustrator+Photoshop

メディックメディアのイラストレーターは、イラストだけでなく書籍の印刷用データも作成します。一般的に「組版(くみはん)」と言われる業務です。
組版にはAdobe社の「InDesign(インデザイン)」というソフトを使用しています。イラスト、チャート、表などの作成には「Illustrator(イラストレーター)」というソフトを使用しています。『病気がみえる』シリーズのイラストは「Illustrator」でオブジェクトを組み合わせて描いています。

Illustrator画面のスクリーンショット。パスをマウスで操作しながら絵を描きます

日頃、ロゴやペラもの印刷物のデータをIllustratorで制作されている方は、「イラストもIllustratorで描くの?」と疑問に思われるかもしれません。『病気がみえる』は医学書という性質上、制作段階で細かい修正が何度も発生します。イラストの拡大・縮小や、パーツの追加・削除は手描きのデータよりもパスで作られたデータの方が対応しやすいため、Illustratorで作成しています。
また、『病気がみえる』シリーズは、書籍間で解剖図などを使い回しています。これは制作時間短縮のためだけではなく、同じ図版が何度も繰り返し出てくることで、読む人の記憶の定着に役立つというメリットがあります。このように図版を流用する上でも、Illustratorデータは微修正がしやすく、便利です。

『病気がみえる』シリーズは写真が豊富なことも特徴ですが、監修の先生から提供していただいた写真をそのまま掲載しているわけではなく、社内で明るさの調整やトリミングを行っています。画像編集には「Photoshop(フォトショップ)」を使用しています。
これらのAdobeソフトの操作は、入社後に外部のスクールで研修を受けることができます(実務経験による)。

1冊の『病気がみえる』制作チームには、2,3名のイラストレーターが参加しています。イラストレーター同士で図版を流用したり、急なお休みでもお互いに助け合ったりできるよう、ソフトはバージョン(型式)まできっちり揃えて制作しています。

ラフやSNS用のイラストはiPadで

誌面データはAdobeソフトのバージョンまで揃えている一方で、ラフやInstagramなどのSNSに投稿するイラストは自由度が高いため、各自が使い慣れたお絵かきアプリを使用しています。
私はAdobe社の「Fresco(フレスコ)」をiPad Proにインストールして使用しています。鉛筆の書き味と水彩のにじみがリアルでお気に入りです。入社当初は紙に鉛筆でラフを描いてスキャンしていましたが、「Fresco」はAdobeソフトとの連携もスムーズなのでフルデジタルに移行しました。
なお、iPadとApple Pencilは会社貸与です。MIGだけでなく、赤字原稿を作る編集者やプレゼンを行う営業部など、あらゆる部署でiPadを業務に使用しています。

Frescoのブラシツールで描いた『病気がみえる vol.15 小児科』のラフ

漫画を描くときには無料ソフトの「MediBang Paint(メディバンペイント)」を使用しています。コマ割り機能が感覚的に使えて便利です。もうスクリーントーンの欠片がデスクに散らばることもない…!(昔話)

スクリーントーンがいろいろ使えて便利! とウキウキで作ったカルーセル広告

このほか、「Procreate(プロクリエイト)」を使用している社員もいます。

業務に応じて動画ソフトや3DCGソフトも

メディックメディアでは書籍だけではなく、動画教材や書籍付録のwebコンテンツも制作しています。MIGにも動画や3DCGを作成する人が徐々に増えてきました!
入社前から自主制作や前職で使用していた人が、業務でも同じソフトを導入して使用するパターンが多いです。
Adobe CCを契約していると、「Premiere Pro(プレミアプロ)」や「After Effects(アフターエフェクツ)」などの動画編集ソフトをインストールして使用できるので便利です。
なお、メディックメディアのwebコンテンツの3DCGは現在、「Blender(ブレンダー)」を使用して作成しています。

私はフリーランスからメディックメディアに転職しましたが、自分ひとりで機材をなんでも揃えていた頃を思うと、圧倒的に働きやすい環境だなと感じます。
今後の記事では、各ソフトのTipsなどを紹介していきますね!


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