【📰文系×医療🩺】話したいのに話せない。選択性緘黙(かんもく)
今回は選択性緘黙について学んでいきます。
これなんて読むんでしょうね笑
調べてみると緘黙(かんもく)と読むそうです。
子どもに見られる精神疾患です。詳しく見ていきましょう!
今回の国試の問題はこちら👇
選択性緘黙(かんもく)
症状
選択性緘黙とは、特定の場面(学校など)や人に対して、話すことができなくなってしまう状態です。
特徴としては、家などでは普通に話せるため、言語能力はあるのに、特定の場所では1か月以上話せなくなることです。
自分の意志で話したがらないと誤解されやすいですが、話したくても話せないのです。
5歳未満で症状がみられることが多く、500人に1人の割合で発症しています。また、男の子に比べ、女の子に多いことも報告されています。
症状例
・トイレに行きたくても伝えることができない
・指名されても発言することができない
原因
詳しい原因は分かっていません。
自分から話す場面を人に聞かれたり、見られたりすることに対して強い恐怖を抱くといった、不安になりやすい気質があると言われています。
また、家族の中で極度に内気な人や社会的抑制(何かに取り組んでいても、他人が見ているとできなくなる)がある人がいると発症しやすいです。
強い不安によって社会不安症(社交不安障害)を合併することが多いとされています。
治療
認知行動療法
自分の考え方(認知)や行動のくせを把握し、整えていくことでストレスを軽減する治療法です。
遊戯療法
話せるようにするということが治療目的ではありますが、そこだけに注目するのではなく、話そうとしても話せないという緊張や不安、恐怖心を取り除くようにすることが重要です。
薬物療法
疾患そのものを治すものではありませんが、根底にある不安症状を緩和するためにSSRIという抗うつ薬などによる薬物療法が行われることがあります。
https://heartline-daycare.com/guide/mutism/
問題を解いていきます!
aの思春期は8-18歳を指しますが、選択性緘黙は幼児期に多いため誤りです。
bの聴力に関しては正常であるため正解です。
cの言語理解は家などの場では通常通り話すことができるため、誤りです。
dは選択性緘黙と脳波の関係がはっきり分かっていないため、誤りです。
eの発声練習は、発声能力はあるため、誤りです。環境の不安を取り除くことの方が大切になります。
おわりに
選択性緘黙は話したいのに話せない状態です。中々小さい子供の社会では受け入れられず、生きづらい生活を強いられてしまう人も多いと思います。
しかし、発見できずに放置してしまうと、大事な幼児期に対人コミュニケーションにおいて後れを取ってしまったり、慢性化して生涯の特性になってしまったりと、危ない症状です。
周りの理解ある人々が増えることで、それ自体が不安を感じにくい環境を作っていったりと、症状で苦しむ人を救うこととなります。
まずは知ることから始めましょう!