なぜAlzheimer病やParkinson病ではMyerson徴候がみられるの?実は乳幼児でもみられる原始反射?
Myerson徴候は、医師国家試験の勉強ではParkinson症候群の章で出てくる徴候ですよね。
眉間を叩き続けると正常ではだんだん瞬きしなくなりますが、Parkinson症候群などでは、何度やっても慣れずに瞬きし続けます。これがMyerson徴候です。
では、なぜParkinson症候群でMyerson徴候が陽性となるのでしょう。
実は、Parkinson症候群に限ったことではなく、前頭葉に神経変性をきたす疾患であれば見られる可能性があります。
そもそもMyerson徴候とは原始反射の1つです。幼児では普通に見られる反応で、前頭葉の発達に伴い消失します。要するに前頭葉が「何度も叩かれてるけど、害はないから瞬きしなくていっか!」と抑制するので瞬きしなくなるんですね。
ですが、前頭葉の神経変性(タウオパチーでもシヌクレイノパチーでも)が起きると抑制できなくなるのでMyerson徴候陽性となります。
機序からも分かる通り、Myerson徴候は前頭葉の抑制機能障害に基づくので、神経変性度とも相関するとされています¹。神経変性疾患や神経症候って、診察から色々なことが分かるので奥深いですよね。