基礎徹底「そこが知りたい」臨床医学・医学英語教育研究室

首都圏の医療従事者が医学部生向けに,臨床医学で知っておくと見通しが良くなる知識を時々解説します.また医学英語教育・USMLEに役立つコンテンツを作成しています.作成物は教育目的に限り著作権フリーとします.勉強会や授業などで許諾なしで利用可能です!

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自己紹介とブログの方針

自己紹介 こんにちは.首都圏に住みついて医学を勉強している者です. なぜこのブログを始めたのかというと,医学部在籍中,同期のマッチング筆記試験対策資料の作成,定期試験で資料を大量に作成したりしている中で,さまざまな「これは知っておくと見通しが良くなるな」という知識が紹介できるほどストックされました. そこで,このブログでは過去大学時代に同期や後輩から質問を受け,調べて解説した臨床医学の疑問を紹介し,これから本格に臨床医学・国試に取り掛かる医学生の方々へ向けて勉強の一助となりた

    • 【無料プリント公開!】基礎徹底 そこが知りたいCDと疾患まとめ

      血液疾患や腫瘍で問われるCD(Cluster of Differentiation)は様々な種類があり,覚えにくい分野の1つです. そこで,問われやすいCDとその疾患をプリントにまとめました! 無料ですので是非ご活用ください!ダウンロードは以下

      • 【無料プリント公開】基礎徹底 そこが知りたい小児の発達

        小児の発達は各年齢ごとに覚えることが多く,複雑ですよね。筆者も苦手な分野の1つでした… そこで,各年齢ごとに理解しながら覚えやすいようにプリントにまとめました❕ 小児科を勉強し始めた5年生~国試直前の6年生まで幅広くお使いいただけるプリントとなっています!無料ですので是非ご活用ください!

        • 【無料プリント公開】基礎徹底―そこが知りたい輸液の選択解説プリント

          輸液は,1号液,2号液,3号液,生理食塩液,乳酸リンゲル液・・・めちゃくちゃいろんな種類があって大変ですよね。 しかも,どんなふうに使い分けるかもいまいち分かりにくい分野です。 ・・・そこで!医師国家試験の過去問を使いながら   輸液製剤の使い分けをわかりやすく7pのプリントにまとめました! また、K投与時の注意点や点滴速度の計算方法なども解説しております! 是非この機会に輸液選択の基本をマスターしましょう! 無料です!ダウンロードは下記より❕

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        • 基礎徹底 そこが知りたい問題集
          5本
        • 基礎徹底 そこが知りたい小児科
          5本
        • 基礎徹底 そこが知りたい治療・薬剤
          4本
        • 基礎徹底 そこが知りたい血液内科
          8本
        • 基礎徹底 そこが知りたい感染症内科
          7本
        • 基礎徹底 そこが知りたい医学英語
          3本

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          【無料公開】国試向け 基礎徹底 そこが知りたい抗がん剤ー造血器腫瘍の薬剤まとめ

          血液内科の抗がん剤は,重症度や遺伝子型などにより使い分けがされているので非常に難しい分野の1つですよね。。。 そこで,117回-80回前後までの医師国家試験過去問を分析して全体をつかみやすいように解説プリント(全17p)へまとめました! すべてオリジナル解説であり,適宜補足を追記しています! 無料公開のためぜひダウンロードして最後の追い込みにご活用ください!

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          【無料プリント公開】医師国家試験向け 抗菌薬選択まとめ 

          抗菌薬選択っていろんな薬や細菌がバラバラに出てくるので難しいですよね・・・ そんな悩みを解決するために,117回-80回の抗菌薬出題を分析してpdfにまとめました!ぜひ下記よりダウンロードして勉強にお役立てください!

          【無料プリント公開】医師国家試験向け 抗菌薬選択まとめ 

          基礎徹底 そこが知りたい医学英語 医師国家試験で出題された英単語321+α

          医師国家試験116回までに出題された医学英語の単語を分析し、必要な医学英単語321単語と、それを使った例文+αで単語帳を作成しております。完成次第、順次upしてまいります! 英単語帳①が完成しました!ぜひご活用ください! 続編の②は鋭意作成中です。しばらくお待ち下さい! 英単語帳①完成版 1-150番+αまで  誤植訂正・訳文一部訂正 2023/12/09 22:49 第1版完成 2023/12/10/17/57 116回までに出題された英単語+α word

          基礎徹底 そこが知りたい医学英語 医師国家試験で出題された英単語321+α

          なぜ腹壁破裂は右側から臓器が脱出しやすいの?

          新生児では、出生時に腹壁破裂による臓器脱出が見られる場合があります。 臍の右側の腹壁が欠損しており、速やかな処置が必要な新生児疾患で、ほぼ全例に腸回転異常を伴うとされています。 この腹壁破裂はほとんど右側から臓器脱出が起きるのですが、なぜ左側からは起きないのでしょう? じつは、発生初期の過程で右臍静脈の退縮により、右側腹壁に裂隙が生じ、腹腔臓器が羊膜腔に脱出するためとされています。発生学の知識が疾患にもつながる例の1つなのです。 ちなみに左臍静脈は、臍静脈として発達し、静

          なぜ腹壁破裂は右側から臓器が脱出しやすいの?

          なぜ毒素性のみの胃腸炎は血便はみられずなぜ細菌感染性の胃腸炎で血便をみるのか?

          胃腸炎では血便が見られるもの、見られないものに分かれますよね。また、水様性下痢や粘血便にも分かれます。何故でしょうか? 血便≒大腸感染性胃腸炎 血便は、大腸の出血が便に混じり赤くみえる現象です。そのため、大腸で炎症・出血が見られなければなりません。 大腸に感染する細菌はアメーバ赤痢、赤痢、カンピロバクター、サルモネラ、C.difficil、腸管出血性大腸菌です¹。 また、小腸と比較して大腸では便に混じって細菌が停滞するため、細胞に侵入して粘膜を障害する頻度も多いのでしょう

          なぜ毒素性のみの胃腸炎は血便はみられずなぜ細菌感染性の胃腸炎で血便をみるのか?

          完全房室ブロックと洞不全症候群・予後が悪いのはどっち?

          よく、心臓内の電気刺激の繋がりが途絶える or 伝わりにくくなる疾患として完全房室ブロックと洞不全症候群があります。 完全房室ブロックは心房と心室のつながりが途絶えてしまう不整脈 洞不全症候群は洞結節と心房のつながりが途絶えたり、洞結節の機能低下により徐脈となる疾患 では、どちらのほうが予後が悪いのでしょう…?どちらも心臓の中の電気経路の繋がりが切れるので悪い気がしますが? 予後は完全房室ブロックが圧倒的に悪い 実は、洞不全症候群はQOLは下がります。しかし生命予後

          完全房室ブロックと洞不全症候群・予後が悪いのはどっち?

          なぜ脳外科手術後に消化性潰瘍がおきやすいの?

          脳外科手術後には消化性潰瘍を生じることが明らかになっています。脳なのに消化器の病気が起きるのは何故なのでしょう。 脳外傷や脳外科手術が原因となっておこる胃の潰瘍のことをCushing潰瘍といいます。実は、頭蓋内圧亢進が起こると、迷走神経活性化が起きて、胃の中で酸産出量が多くなることで胃の粘膜がただれて潰瘍になるという一連の流れが解明されています。そのため、脳外科手術を受けた後は、胃潰瘍の予防治療も受けておく必要があるので注意が必要です。 参考 1)https://www.

          なぜ脳外科手術後に消化性潰瘍がおきやすいの?

          なぜCOPDと消化性潰瘍は合併しやすいの?

          慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、消化性潰瘍を伴うことが多いことが知られています¹。原因として、低酸素血症や頻呼吸によって誘発される胃液の分泌過多、ピロリ菌感染が主な原因であることが強く示唆されているとのことです²。 以前の研究では、COPD患者267名中23名(8.3%)に消化性潰瘍が見られたとのことです¹。また、COPD患者ではピロリ菌の感染率が高いことが知られており、胃潰瘍による1秒率低下により相互に悪影響を及ぼしています¹。COPD患者の消化性潰瘍の治療には低酸素血症

          骨粗鬆症で血清Ca、P濃度が正常に保たれる理由

          骨粗鬆症では骨が分解されるので、骨の成分のCaとPが血中に増える気がしますよね。ですが、実際にはそうではありません。 たとえば、閉経後骨粗鬆症は主にエストロゲンによる破骨細胞の抑制が解除されることで発症します。他の内分泌疾患と異なりPTHおよびVitD、P排泄能力は正常なので、活性化した破骨細胞によって増加したCaとPはホメオスタシスにより排泄されて血中濃度は正常範囲内に保たれます。これが続くことで骨密度の低下をきたすのです。

          なぜCa拮抗薬では”むくみ”や”歯肉増殖”が起きるの?

          Ca拮抗薬は心疾患や食道疾患などで用いられている有用な薬ですが、当然副作用も存在します。 なかでも”むくみ(浮腫)”や”歯肉増殖”はなぜ起きるのか不思議な副作用ですよね。今回はこれに注目してみたいと思います。 Ca拮抗薬と浮腫の関係 Ca拮抗薬は血管平滑筋を拡張させる作用で血圧を低下させます¹。ですが、主に筋肉は動脈に多いです。当然、Ca拮抗薬では動脈のほうが拡張し、静脈に対してはそこまで拡張作用を示しません²。 そのため、動脈は広がっているのに静脈はそのままのため、相対

          なぜCa拮抗薬では”むくみ”や”歯肉増殖”が起きるの?

          なぜビリルビン脳症(核黄疸)では順番に症状が変わるの?橋→中脳→大脳基底核と黄疸が上昇(?)

          医師国家試験では、よくビリルビン脳症(核黄疸)の症状の順番を問う問題が出題されますよね。症状も多く、暗記が大変な項目の1つです。 ですが、どうしてPraagh分類1期は筋緊張低下で2期は後弓反張、3期は症状の消失、4期はアテトーゼのように症状の出現する順番が決まっているのでしょう?ここに注目すれば覚えやすくなる気がしますね。 (注意!)以下の記事は今までの報告に基づき、解剖学的・神経学的に私が理屈をつけて覚えるために考えていたことです。論文などで証明はされていません。そのた

          なぜビリルビン脳症(核黄疸)では順番に症状が変わるの?橋→中脳→大脳基底核と黄疸が上昇(?)

          なぜカンジダ菌血症ではかならず眼科を受診させるの?

          カンジダ菌血症では、よく「必ず眼科を受診させる!」ように指導を受けます。何故でしょう? 実は、カンジダ眼内炎などの内因性真菌性眼病変は真菌血症を生じた患者の約10-30%に合併するといわれており¹、進行すると重度の視力障害をきたすという報告があります。 そのため、失明の恐れがあるため早期に発見して治療を行う必要があるんですね。 参考 1)https://www.jstage.jst.go.jp/article/ishinkin/64/3/64_23.006/_pdf/-

          なぜカンジダ菌血症ではかならず眼科を受診させるの?