Webメディアは、今すぐYouTubeに手をだすべき理由
テキストメディアは飽和している?
WebメディアがYouTubeに進出したら、メリットしかないと思うんですよね。その理由を説明します。
テキストメディアにおいてはWebが登場して以降、ずっとPVを伸ばす競争が繰り広げられてきました。しかし、ネット回線が発達してユーザーが動画視聴に移行したことで、テキストメディアの力は相対的に弱まっています。
とはいえビジネスメディアにおいてはまだ活字が強いんですよね。日経新聞電子版については月間のPVが2.1億となっています。
それでも、Webメディア各種がYouTubeに進出した方が良い理由があるんです。
1本あたりのヒットが大きいYouTube
例えばWebメディアの記事がヒットした場合、1本あたりのPVが1万に達したら大ヒットとなるんです。
かつて自分が書いた記事がビジネスメディアのポータルトップに掲載されたことがあるのですが、そのときは2日で13万PV程度だったと記憶しています。
しかし、YouTubeにおいては1万再生に達する動画はゴロゴロしているんですよね。ヒット動画となると、1本あたりの再生数が数十万から数百万に達することもあります。
さきほどの日経電子版は月間PVが2.1億ですが、1日1,000本の新規記事を投入しているそうです。これを月間に直すと3万本の記事を投入していることになります。
2.1億PVは、いままでに投入した記事の総合のPVなので、1本あたりのPVはそこそこ低いことが予想されるんです。
YouTubeでは1本あたりの再生数がテキストコンテンツに比べて大きくなるため、WebメディアがYouTubeに進出すれば、再生数を伸ばしやすいということになります。
さらに、YouTubeに進出した場合、Webメディアの強みが活かせる理由があります。
Webメディア最大の強みは、1次情報を持っていること
Webメディア最大の強みは1次情報を持っていることなんです。
YouTubeの530万超えのチャンネル登録を誇るビジネス系チャンネル、中田敦彦の「YouTube大学」は、1本あたりの再生数が数百万を超えることもある人気チャンネルです。
この内容は主に大ヒット書籍の解説となっており、1次情報を書籍に頼っていることが分かります。
以前のnoteにも書いたのですが、ビジネス書が最も"読まれる"のは、YouTubeチャンネルとなっているんです。これはYouTubeにおいてはよくあることで、特にビジネス系のチャンネルについては解説動画などの2次情報であることが珍しくありません。
なぜならば、個人でYouTubeを開設すると制作コストが極めて小さいため、1次情報を生み出すことが難しいからなんですよね。
そこでWebメディアに話を戻すと、Webメディアは独自に取材をした1次情報を大量に保有しているんです。これはYouTubeにおいては大きな強みで、これを動画化すればYouTubeで再生数を伸ばすことは容易でしょう。
しかし、動画の制作コストが高いのではないか、という懸念もありますが、それは極めて低コストで実現できると思います。
チャンネルを低コストで運用する方法
例えば先ほどの中田敦彦の「YouTube大学」は、中田氏が一人でホワイトボードを指しながら解説するしくみを取っているんです。
同じようなスキームで記事解説の動画を制作すれば安価ですし、AIが登場しているのでAIキャスターによる解説動画であればさらにコストは下がるでしょう。
さらにチャンネル登録約250万の日本の未解決事件などを解説する動画「たっくーTVれいでぃお」では、本人は顔を出さずに生成AIの動画や静止画をつなげて、ナレーションによって動画を解説しているんです。こちらも動画あたりの再生数が、100万を超えることは珍しくありません。
Webメディアにおいては静止画などの1次情報や場合によっては、動画も保有しているため、このようにナレーションにて解説する形でも低コストで動画を制作できるはずです。
現状ビジネス動画のYouTubeチャンネルといえば、PIVOTやNewsPicksなどが挙げられますが、これらの制作コストが高いのは、スタジオにてMCがトークを行うテレビスタイルの制作を行っているからなんですよね。
ホワイトボードを使用したり、ナレーションでの解説型に切り替えれば、コストを低く動画を量産できるはずなんです。
WebメディアのYouTube進出はメリットしかない?
ということで、1次情報を大量に保有するWebメディアがYouTubeに進出することはメリットしかないように思えるんです。
現状のテキストコンテンツと同等レベルのメディアパワーを、動画コンテンツにおいても持つことが出来るのではないでしょうか。
ただし、これを実施すると組織内におけるカルチャーの摩擦は起こると思います。テキストコンテンツにプライドを持ってあたってきた記者と、動画配信の制作者は畑が違うので、組織内におけるカルチャーの摩擦は起こるかもしれません。
とはいえ、テキストコンテンツが飽和にある今、動画に進出することは強みになると思います。
これらの点を考慮すると、Webメディアにとってはチャレンジングではありますが、長期的には大きな利益をもたらす可能性が高いんです。ただ、従来のクオリティを保ちつつ、新しいフォーマットに適応していくバランスが重要になるのではないでしょうか。