大学広報の成果につながるKPI設定とは？ Web担当者必見の基礎知識
KPIって、なんだか難しそう……と思っていませんか？
「そもそもKPIって何？」「どんなKPIを設定すればいいの？」「どうやって目標と関連付ければいいの？」
そのような疑問をお持ちの担当者さんも多いのではないでしょうか？
でも、大丈夫です！ KPIは広報活動を成功させるための頼もしい味方です。
今回は、KPI設定方法の基本を、事例を交えてわかりやすく解説していきますね！
そもそもKPIって？
KPI（重要業績評価指標）とは、目標達成度を測るための指標のこと。
「重要」とついているだけあって、適切なKPIを設定することが、広報活動の成功には欠かせません。
例えば「大学の魅力をもっと知ってもらいたい！」という目標があったとします。
漠然と「魅力をもっと知ってもらいたい！」と願うだけでは、なかなか成果は見えませんよね？
そこで、Webサイトへのアクセス数や、大学公式SNSのフォロワー数などをKPIとして設定します。
これらの数値を定期的にチェックすることで「Webサイトへのアクセス数は先月より増えている！」「公式Instagramのフォロワーが100人増えた！」のように、目標に近づいているかを確認できるのです。
大学広報で使えるKPIの種類
大学広報で使えるKPIは、実に多岐にわたります。
WebサイトやSNSの指標はもちろん、オープンキャンパスや資料請求といったオフラインの指標も活用できます。
例えば、
Webサイト：アクセス数、ページビュー数、滞在時間、直帰率、コンバージョン率（資料請求、お問い合わせなど）
SNS：フォロワー数、いいね！数、コメント数、シェア数、リーチ数、エンゲージメント率
イベント：オープンキャンパス参加者数、説明会参加者数、大学見学ツアー参加者数
広報物：資料請求数、パンフレット配布数、大学案内の閲覧数
メディア掲載：新聞記事掲載数、テレビ番組出演回数、Webメディア掲載数
アンケート調査：大学イメージ、認知度、満足度
多くの指標が考えられますね。これらのKPIを、大学や広報活動の目的に合わせて組み合わせれば、効果を多角的に測ることができます。
KPI設定のステップ
では、実際にKPIを設定するには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか？
１．目標を明確にする：「何を達成したいか？」を具体的にしましょう。
この最終的な目標やゴールをKGI（重要目標達成指標）といいます。
２．KGIを達成するための要因を考える：KGIを達成するために、どのような要因が重要か、どのような手段をとれるかを考えましょう。
これがKSF（重要成功要因）です。
３．KPIを選ぶ：KSFを達成するための具体的な行動指標として、日々のアクションの中でゴールの達成度がわかるような指標をKPIとして選びましょう。
４．目標値を設定する：KPIをどのくらい達成したいか、数値で目標を設定しましょう。
５．測定方法を決める：どのようにKPIを測定するか、具体的な方法を決めましょう。
６．期間を決める：いつまでに達成したいのか、期間を明確にしましょう。
ポイントは、KGI → KSF → KPI の順に落とし込んでいくこと！
それぞれの指標を関連付けることで、目標達成への道筋を明確化し、効果的な広報活動がおこなえます。
大学広報の目標とKPIの関連付け
目標とKPIを関連付けるためには、まず「なぜその目標を達成したいのか？」を考えることが重要です。
例えば、
KGIを「大学の認知度を上げる！」とした場合、
KSF：WebサイトやSNSでの情報発信を強化する。
KPI：Webサイトへのアクセス数、大学公式SNSのフォロワー数
KGIを「入学志願者数を増やす！」とした場合、
KSF：大学の魅力を効果的にアピールする。
KPI：オープンキャンパスへの参加者数、資料請求数、Webサイトからの大学案内ダウンロード数
KGIを「大学ブランドイメージを向上させる！」とした場合、
KSF：社会貢献活動の認知度向上、メディア露出を増やす。
KPI：アンケート調査による大学イメージ、メディア掲載数、ポジティブなSNS投稿数
このように、KGIとKSFを明確にした上でKPIを設定することで、広報活動の効果を最大化できます。
「良いKPI」ってどんなKPI？
適切なKPIを設定できれば、広報活動の効果測定や改善がスムーズに進むでしょう。
では、そもそも「良いKPI」とはどんなKPIなのでしょうか？
それは、目標達成に役立つKPI、つまり「成果につながるKPI」のことです。
もう少し具体的に言いますと、
目標との関連性が高い：KPIが目標達成に直結しているかどうかは非常に重要です。
測定しやすい：複雑な計算式が必要なKPIや、データ収集が困難なKPIは避けましょう。
分かりやすい：関係者全員がKPIの意味を理解し、共有できることが大切です。
改善に繋げやすい：KPIの測定結果を見て、具体的な改善策を検討できるものが理想です。
これらのポイントを踏まえることで、広報活動の成果につながるKPIが設定できます。
成果を最大化するKPIの条件とは？
広報活動の成果を最大化するKPIには５つの条件があります。
１．具体的【 何を測るのかが明確である 】
「Webサイトへのアクセス数を増やす」のように、具体的な行動や数値で表せるものが良いでしょう。
２．測定可能【 数値で測れる 】
アクセス数やフォロワー数など、具体的な数値で計測できるものを選びましょう。
３．達成可能【 現実的に達成可能な目標値である 】
あまりにも高すぎる目標値を設定してしまうと、モチベーションが下がってしまいます。
４．関連性【 目標と関連性がある 】
目標達成に直接関係のないKPIを設定しても意味がありません。
５．期間【 いつまでに達成するか、期間が明確である 】
「来年度末までに」「３か月以内に」など、具体的な期間を設定しましょう。
入試広報と大学広報のKPIの違い
そもそも、入試広報と大学広報では目的が異なりますので、設定するKPIも大きく異なります。
それぞれのKPIの特徴を理解し、適切な指標を設定しましょう。
入試広報のKPI
入試広報のKPIは、主に志願者獲得を目的としたものが中心となります。
短期的な目標達成を重視し、数値で計測しやすいKPIが多い点が特徴です。
また、アウターブランディング的な要素が強く、受験生など大学外部の人に向けた情報発信によって大学の魅力をアピールし、志願者を増やすことを目指します。
例えば、
志願者数：入学試験の願書を出した人の数
受験者数：実際に試験を受けた人の数
合格者数：試験に合格した人の数
入学決定者数：最終的に大学に入学を決めた人の数
Webサイトからの大学案内ダウンロード数：大学案内をダウンロードした人の数
オープンキャンパス参加者数：オープンキャンパスに来た人の数
資料請求数：大学案内などの資料を請求した人の数
個別相談参加者数：個別相談に参加した人の数
大学広報のKPI
一方、大学広報のKPIは、大学全体のブランドイメージ向上や社会貢献など、より広範な目的を達成するためのものが中心となるでしょう。
中長期的な視点で設定され、定量化が難しいKPIも含まれます。
また、インナーブランディング的な要素も含まれ、学生や教職員など大学内部の人に向けた情報発信によって、帰属意識やエンゲージメントを高めることも目指します。
例えば、
Webサイトアクセス数：大学Webサイトへのアクセス数
SNSフォロワー数：大学公式SNSのフォロワー数
メディア掲載数：新聞・雑誌・テレビ・Webメディアなどに掲載された回数
大学イメージ：アンケート調査による大学イメージの評価
地域貢献活動への参加者数：大学が主催する地域貢献活動への参加者数
産学連携件数：企業との共同研究やインターンシップなどの件数
KPI設定のポイント
入試広報と大学広報のKPIは、それぞれ異なる目的や視点を持つことを理解した上で、適切な指標を設定することが重要です。
入試広報：短期的な目標達成度を測るために、数値化しやすいKPIを設定しましょう。
大学広報：中長期的な視点で、大学全体のブランドイメージ向上に繋がるKPIを設定しましょう。
インナーブランディング：学生や教職員のエンゲージメントを高めるためのKPIも設定しましょう。
KPI設定の事例
他の大学ではどのようなKPIを設定しているのでしょうか？気になりますね。
例えば、
A大学：Webサイトのアクセス数を前年比120%にする！
B大学：大学公式 X（旧Twitter）のフォロワー数を1万人にする！
C大学：オープンキャンパス参加者数を前年比110%にする！
D大学：大学ブランドに関するアンケート調査で、好意度を70%以上にする！
E大学：Webサイトから資料請求をした人の数を前月比150%にする！
F大学：大学公式YouTubeチャンネルの登録者数を5,000人にする！
G大学：地域貢献活動に関するWebサイトへのアクセス数を月間1万PVにする！
具体的な目標値を設定している大学が多いようです。
これらの事例を参考に、貴学の目標に合ったKPIを設定してみましょう。
重要なのは、数値目標を明確にすることです。
「Webサイトへのアクセス数を増やす」といった漠然とした目標ではなく、「Webサイトへのアクセス数を前年比120%にする」のように、具体的な数値目標を設定することで、達成度合いを正確に把握できます。
今回は、KPI設定方法の基本について解説しました。
ぜひ、貴学の現在の目標に合わせて、より効果的な広報活動につながるKPIを設定し、広報活動の成果を最大化してまいりましょう！
KPIの設定についてお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。