進化心理学がマーケターにあたえてくれるもの
ブログを始めようかなと思い、noteを書き始めました。
達川幸弘と申します。よろしくおねがいします。
デザイナーやバンド、自分たちの音楽レーベルの運営など8年間。
マーケターとしてのキャリアを10年ほど歩んできたホモ・サピエンスのオス♂です。
今はCAMPFIREという会社でマーケティングをしたり、ほそぼそと個人でも企業のマーケティングのお手伝いをしていたりします。
マーケターとしては、BtoB・BtoC・オンライン・オフラインと、経験領域は広く、プレイヤー・マネジメント・CMOの立場からちょくちょく地獄のフチを見てきました。
このブログでは、今僕がマーケターにとって研究するに値すると思っている分野である「進化心理学とマーケティング」について書いていきたいと思っています。
また、海外のマーケティングや進化心理学の論文などの解説もちょくちょくやっていきますので、気が向いたらフォローしてみてください。
なぜ進化心理学?
そんな、僕がいまもっとも興味をいだいているのが、「人間の欲」です。
なぜ人間は一見すると不合理な振る舞いをしてしまうのか?
人間は何を基準に意思決定をしているのか?
意思決定の個体差は何が原因なのか?
などなど、これらの根幹となっている「欲」に興味を持つ中で非常に面白いと思った分野が「進化心理学」です。
あの言わずとしれた超有名なマーケターである森岡毅さんをして、「本能にぶっ刺す」重要性を説かれています。
マーケターの世界では「顧客理解」という言葉が多く聞かれるようになりましたが、人間の本能や欲というレベルに達しているかというと、まだまだ表面的なのではというのが、僕の問題意識です。
行動経済学の名著として有名な「予想どおりに不合理」という書籍のタイトルにもなっている、人間が数々の意思決定の中でやってしまう「不合理」な振る舞い。
行動経済学の著書の中では「不合理だよね〜」とは書いてありますが、その不合理さがなぜ生まれるのかまでは書いてくれません。
このような不合理さの説明原理となりうる分野の一つが「進化心理学」であると考えています。
進化心理学とはなにか?
Wikipediaの記載はこのようになっていますが、難しい表現ですね。
噛み砕くと、人の心の振る舞いが進化の過程でどのように形成されたかを研究する分野であると言えます。
行動経済学などで言われる、資本主義化における経済合理性の観点からみた「不合理」な振る舞いが、進化の観点で見たときに必ずしも不合理ではないという視点を与えてくれるところが、この学問の面白いところです。
進化心理学とマーケティングって何の関係があるの?
この分野の学び進めることは、マーケティングにおけるhowやtipsが次々出てくるというものではありません。
昨今のマーケティング業界では「消費者理解」「顧客理解」という言葉がよく飛び交います。すっかりおなじみとなった大規模カンファレンス「マーケティングアジェンダ」でも、2年連続で「人間理解」というテーマを取り上げたのが2021年でした。
「理解」というのはいささかマーケター視点の横柄な態度に見えますが、人間というものの性質の理解に近づこうとする姿勢はマーケティングを行う上での1丁目1番地だと思います。
その「理解」をすすめる上で人間の心理の根幹をなす「欲」の正体を知りたいと思うのは至極全うな好奇心であり、アプローチだと僕は思っています。
また海外では、元スタンフォードビジネスデザイン大学院でマーケティングの講師を勤めていた方による、進化心理学とマーケティングの組み合わせによるオンライン講座が実施されているのも面白い傾向です。
今後のnoteでは進化心理学の観点から人間の「欲」を理解するための考え方や、その結果、人としてのふるまいの背景に何があるのかを、具体例と照らし合わせながら考察していきます。
ヒトとしての観点
生物としての観点
性差の観点
生存競争の観点
社会性の観点
などアプローチはさまざまです。
顧客インタビューをすれば、ある程度顧客のことってわかるんじゃない?
マーケティングにおいて「顧客に会いに行く」ことはとても大事ですし、私も重要なマーケターの仕事の一つであると確信しています。
しかし、それで「必要十分じゃないの?」とは思っていません。
マーケターの間では有名な、足立光さんの書籍に出てくる、足立光さんの入社前にあったというサラダマックの失敗のケースを考えてみてください。
なぜ、顧客はアンケートで「サラダを食べたい」と答えたにも関わらず、いざ店頭でメニューを目の前にして、サラダを選ばなかったのでしょうか?
さらにマーケティングの世界ではよく出てくる、マズローの欲求のピラミッドをみてください。
このピラミッドを見て、どれくらいの方が納得感をもっているでしょうか?
マズローのピラミッドは下位の階層の欲求が満たされていくと上位の欲求が発現するという構造です。
もし本当に、「承認」以下の欲求が満たされた上で発現する欲求が自己実現なのであれば、なぜみんなあんなにも「ダイエット」に苦労するのでしょうか?
なぜ、マクドナルドでサラダマックを頼まなかったのでしょうか?
もしかすると、「進化心理学」の観点があれば、もっと深い人間の欲・社会性の観点から、アンケートの奥にある人間の性質に思いが及んだかもしれません。
この事例を更に深ぼる人間の性質については次の記事の「7つの下位自己」で言及いたします。
で、結局マーケティングで何の役に立つのか?
オンライン上でさまざまな行動データが取得できるようになり、データから人の行動の有様を紐解くことが容易になっている昨今です。
ただし観測自体は容易になっていると同時に、その中からどのような洞察を得るかに関しては、やはり人間の思考力、仮説構築能力を入り口にする必要があります。
進化心理学とマーケティングを紐付けて考えていくことで、データ分析の前に持つべき「仮説構築」の精度を高められると僕は考えます。
WHO・WHAT・HOWの中で言う、「WHAT」の仮説精度と言ってもいいです。
とはいえ、具体例がないこの段階では、このお話だけを聞いてももしかしたらピンとこない方もいるかと思います。
これから徐々に「進化心理学」の観点で、マーケティングを紐解いていければと思っています。
もし興味を持たれた方は、フォローをいただき、学びの旅をご一緒できると幸いです。
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最後までお付き合い、ありがとうございました!!
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