「医学部定員削減時代に突入―医師としての『ブランド』をどう築く?」[テーマ設定記事]
医師需要はどんどん減っていく
この記事のタイトルを読んで、ギョッとした医学生も多いのではないでしょうか?
衝撃的ではあるものの、医学生・若手医師は誰もが薄々と感じていた医師としての需要の減少。
そのぼんやりした懸念がまさに現実になる記事が今月、掲載されていました。
厚労省によると、人口減少のため2027年度から医学部臨時定員を減らす指針を厚労省が発表。
医師の地域偏在を是正するため、2008年度から地域枠として定員拡充がなされてきました。しかしこのまま拡充され続けると、2032年頃には医療の需要と供給が均衡すると予想されるため、医学部の人数を減らす予定だというニュースです。
医師安泰時代は終わる!?
医学部に入れば国家資格が取れて、高給取りで、将来安泰。そんな時代の終わりがもうすぐそこまで迫っているのかもしれません。
医療の需要と供給が均衡した日本はどうなるでしょうか。患者さんがどの医師に診てもらいたいか、手術してもらいたいかを選べるようになり、人気のない医師は患者さん不足で仕事がなくなる。あくまで一つの予想ですが、そのような、言わば、ビジネス社会と同様のあり方へと変わっていくのかもしれません。
例えば「医師 今後 需要」と検索をかけると、最近よく目にするGoogleのgeminiは「2024年頃には需要と供給が均衡し、それ以降は供給過剰になる可能性があります。」と答え、その下にも「医師過剰」「均衡」という言葉を使った記事が多く見られると思います。
正しい情報を取捨選択して、判断材料にすることが大事ですが、医師過剰という恐ろしい傾向がすぐそこまで迫っているというのは肌で感じられるように思います。
自分の「ブランド」をどう磨くか
日本は人口減少だけでなく、国力の低下やインバウンドも相まって、今後はさらに海外からの移住者や労働者が増えることが考えられます。今とは変わるであろう将来の日本の世の中で、医師としてどう生き残るか、それが今の医学生・若い医師に問われていることではないでしょうか。
私は小児科志望ですが、多くの先生に言われる悲しい言葉があります。
「これから子供は減るのに、大変じゃない?」
しかし実際、事実としてその通りであり、その言葉をいただく度に、小児科医として私にしかない付加価値を持ちながらキャリアを進めたい、そう強く思います。
ブランドは専攻医、専門医と、医師としてのキャリアを築いていけば自然と付いてくるものではない気がします。若いうちから自身の強み、好きなこと、自分らしさ、社会の需要に合うこと、自分が最大限のパワーを出せるところ、それを考え追求し続けることが必要になると思っています。
マッチングを控えた医学部5年生、診療科選びに迷う研修医など、このテーマは多くの人に、広く有効活用できるテーマではないでしょうか!ぜひペアMTGを通して、じっくり考えてみたいです!