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(平野啓一郎著)短編集『富士山」をオーディオブックで聴く。|正義について考えさせられる作品。

2024年10月17日に、新潮社から刊行された、(平野啓一郎著)短編集『富士山』を、オーディオブックで聴き始めています。
本作は、書籍での刊行と同時に、Audibleでもリリースされました。
『富士山』は、全部で5作品からなる短編集で、そのタイトルとなっている『富士山』を聴き終えました。
物語のキーポイントとなるのは、タイトルの通り富士山と、それから新幹線です。

関西地方で生まれ育った私にとって、富士山と新幹線は、特別な存在でした。
社会人になって、初めて東京に出張に行った時に、新幹線に乗れることの喜びと、車窓から見える富士山に感動しました。
今でも、新幹線に乗るときは、必ず富士山の見える「E席」を優先的に予約します。

新幹線から富士山を間近で見られるのは、富士川を渡るところから三島駅の手前辺りまでで、時間的には約3分程度です。
新大阪〜東京間は2時間半なのですが、ほんの僅かな時間のために「E
席」を予約するのです。
それなのに、曇っていて富士山が見えないときには、がっかりしてしまいます。

東海道新幹線には、毎日40万人以上の人が利用します。
ビジネスマンや旅行者など、様々な目的で、大阪〜東京間を移動しているのです。
一人きりで乗っている人もいれば、恋人同士、家族、修学旅行のような団体など、関係性もいろいろです。

そして、乗っている一人ひとりに、ドラマがあります。
まさに、人間のドラマを高速で運ぶ輸送機なのです。

平野啓一郎著『富士山』は、その中の一つのドラマに過ぎないはずだったのですが、突然、ある事件に展開していきます。
読み終わってみて、人生にとって何が幸せなのか、正義とは何かということを、考えさせられています。

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