『リーダーは日本史に学べ』(増田賢作著)|第2章:「モノ」は知恵で活かされる
増田賢作著『リーダーは日本史に学べ』という本を読み進めています。
本書は、経営の4大資源と言われる、人、モノ、金、情報に、目標と健康を加えた6つの経営資源で章立てされています。
現在、第2章の『「モノ」は知恵で活かされる』までを、読み終えたところです。
第2章で学ぶ歴史上の人物は、織田信長、保科正之、島津斉彬、坂本龍馬、山本五十六の5人です。
江戸時代の初期、「明暦の大火」で江戸の町の大半が焼けてしまった後、焼け落ちた江戸城の天守再建に反対したのは、保科正之でした。
既に戦国時代は終わっており、籠城するための天守は不要で、むしろ城における天守は、単なる権力の象徴でしかなかったのです。
保科正之の判断は、必要性の低い見栄えのための投資を避け、実質的な価値を重視する経営判断にも通じるものがあります。
企業は、所有している資産を、いかに効果的に活用するかという課題に取り組む必要があります。
工場や事務所、商品など、目にみえる資産、いわゆる「モノ」の有効活用は重要です。
いくら立派な工場や事務所があっても、生産性が低いと所有する意味がありません。
高価な商品がたくさん在庫があっても、売れる商品、いわゆるお金にかわる商品でないと、ゴミの山ということになります。
このように、資産の有効活用の重要性は、第二次世界大戦を前に日本が巨額を投じて建造した、戦艦大和の失敗の例からも学ぶことができます。
企業経営には、資産の価値の判断と、本当に必要な投資の判断が求められます。
難しい判断をする上で、日本史をヒントにすることができます。