見出し画像

【読書】穂村弘(著)『絶叫委員会』〜声を出して笑える本

沢山ある積読本の中から、最近読んだ本が、穂村弘(著)『絶叫委員会』です。
正直、なぜこの本が積読本の中にあるのか、この本を買おうとしたきっかけが全く思い出せないのです。
Amazonの購入履歴を見れば、確かに履歴が残っているので、自分で購入したのは間違いありません。
リアルな本屋さんで買ったのであれば、覚えているはずですが、ネットで買った本はどうもいろんなことを、忘れてしまいがちです。

ネットを見ているときに、広告が表示がされたか、noteの記事でどなたかが紹介されていたかのかと思われます。
本だけでなく、ネットでの買い物というのは、便利な反面、何処か味気なさを感じます。

穂村弘さんは、歌人です。
歌人と言われても、具体的にどのようなことをする職業なんかよくわかりませんでした。
和歌や短歌を読む人が、歌人と言われている人です。
和歌や短歌には、全く興味はありませんし、そういう方のエッセイを読むことになるとは、自分でも意外でした。

タイトルにある絶叫という言葉ですが、あの絶叫マシンの絶叫です。
大きな声を出すことです。
大きな声を出す委員会・・・ちょっと意味がわかりません。

読み進めていくと、面白くてとても読みやすいエッセイです。
ふと気づくと、ニヤニヤしながら読んでいました。
そして、あるところから声を出して笑ってしまっていたのです。
絶叫とまではいきませんが、本を読んで声を出して笑ってしまったのは、さくらももこ(著)『もものかんづめ』以来のことです。


このエッセイは、誰かに読んでもらって楽しんでもらおうとというよりも、穂村弘さん自身が、文章を書いて楽しんでいるような気がします。

穂村弘さんは、どこかみうらじゅんさんに似ているところを感じます。
穂村弘さんも、みうらじゅんさんも、街を歩いていて、何気なく描かれている看板や注意書きを見て、また、電車の中での他人同士の会話などから、いろんなことを感じ取ります。
一般の人には持っていない能力を持っているのです。


世の中には、ちょっと変わっていると言われる人がいます。
誰でも他人から見れば、ちょっと変わっている人なのですが、ちょっと変わっている人の、ちょっと変わった行動や言動を見つけるのは楽しいものです。
ばかにするとか、そういうことではありません。
ちょっと変わったことに、あくまで敬意を払った上で興味が湧くのです。
羨ましい気持ちでもあります。
自分にはできないことをやれていることが多いからです。

人を楽しませることができる文章が書ける人は、ちょっと変わっている人ではないかと思うのです。
ちょっと変わったものの見方ができる人ともいえます。
私も、ちょっと変わっている人を目指そうと思うのですが、そういうのは目指して達成できることではありません。
狙ったりしたダメです。
それは最悪のパターンです。
ちょっと変わった人を演じている人ほど、寒い人はいません。

普通にやりたいと思うことをやって、面白いと思うことを書いている内に、何処からともなく「あの人、ちょっと変わった人ですよね」という陰口がもし聞こえてきたら、私は間違いなくその場でガッツポーズをすると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?