【読書】伊藤亜紗(著)『記憶する体』「エピソード1 メモをとる全盲の女性」「エピソード2 封印された色」
伊藤亜紗(著)『記憶する体』を、読み始めています。エピソード1とエピソード2まで、読み終えたところです。
私は、人間ドックを受信するたびに、眼圧が高いという診断を受け、緑内障の可能性があるということで、定期的に視野検査を受けています。緑内障は視野が欠ける病気ですが、欠けている部分を脳が補ってしまうため、自覚症状がないのです。緑内障を発症すると治療方法はありませんので、早期発見が重要です。なので眼科に行って、専門の機械で検査を受けている次第です。人間の脳というのはとてもよくできているのですが、そのために病気に気づかないというのは、厄介なものでもあります。
どうやって欠けている視野を脳が補っているかというと、過去の記憶の蓄積なのです。過去の記憶が、こうだろうと脳が勝手に判断をする訳です。決して目が記憶しているのではなく、脳が記憶をしている訳です。視野だけでなく、人間の脳はあらゆる場面で過去の記憶を利用して勝手に判断をしています。日常生活の殆どは、自分が意識しなくても勝手に体が動いています。そればかりか、何かを判断するときも、あまり意識をせずに判断をしていることが多くあります。この辺りは、ダニエル・カールマン(著)の『ファスト&スロー』に書かれている、「システム1」によるものです。
脳や体は記憶力を使って、生きていく為にいろんな努力をしています。この様な本を読むことで、はっきりとは自覚できていませんが、生きていく上で何かしらの役に立っていると思えるのです。
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