【読書】馳星周(著)『少年と犬』 「少女と犬」を読む。
馳星周(著)『少年と犬』という小説の中の、「少女と犬」という章を読み終えました。物語りの舞台は、仙台から始まり、富山県を経て福井県へと移ります。
章の読み始めから、涙が出てきました。これまで、「男と犬」、「泥棒と犬」、「夫婦と犬」と読み進めてきて、物語のイメージが最初からつかめてしまいました。その、イメージだけで感情が動かされるのです。
不幸にも、人生の途中で腕や脚を失った方たちのなかには、幻肢という現象が多く現れます。
幻肢とは、無いはずの腕や脚が、存在するかのように感じる現象です。そしてその幻肢には幻肢痛という痛みが伴うことが多いのです。
このことは、なんとなく知っていたのですが、伊藤亜紗(著)『記憶する体』を読むと、実際に体験された(している)方のエピソードが書かれています。
物語りは、予想通り感動的でした。この『少年と犬』という小説を読んでいると、私も子供の頃に実家で飼っていた犬のことを思い出します。あの犬は、何を考えていたのだろうかと、私たち家族のことを、どのようにみていたのだろうかと、考えてしまうのです。そして、あの犬は幸せだったのだろうかと、しんみりとしてしまうのです。
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