辻原登(著)『陥穽-陸奥宗光の青春』|陸奥宗光と坂本龍馬が交差する幕末
辻原登(著)『陥穽-陸奥宗光の青春』という本を読み進めています。
物語は、1866年「第二次長州征伐」まで読み進んできました。
「第二次長州征伐」の幕府軍の数は約15万人ということですから、「大坂夏の陣」以来の大規模な日本国内での戦となりました。
圧倒的な人数の差がありながらも幕府軍は敗北してしまいます。
戦というのは、人数が多いだけで優位とは限らないのです。
この作品の主人公は伊達小次郎(陸奥宗光)なのですが、薩長同盟から大政奉還までは、坂本龍馬が主役の座に座ります。
読んでいて、2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」を思い出しました。
その坂本龍馬の人生も、あとわずかとなります。
坂本龍馬は「第二次長州征伐」が発生したの翌年の1867年に、33歳の若さで暗殺されます。
陸奥宗光は、このときまだ21歳です。そして1897年(明治30年)、53歳まで活躍します。
坂本龍馬も陸奥宗光と同じように、あと30年生きていたら、どのような活躍をしていたでしょうか。
もしかすると、日本の歴史は大きく変わっていたかもしれません。
「歴史にもしもはない」と言われますが、「もしも」を考えることが、歴史を楽しむひとつの方法です。
そして、そこから現在の社会や政治について、新たな視点を得ることができるのです。