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井原忠政著『三河雑兵心得<拾> 馬廻役仁義』|第二章:茂兵衛の居場所を読み終える。

井原忠政著『三河雑兵心得<拾>馬廻役仁義』を読み進めています。
現在、第二章「茂兵衛の居場所」を読み終えたところです。

「第一次上田合戦」で真田軍に大敗を喫した徳川軍。
命は助けられたものの、戸石城の土牢に囚われていた主人公の植田茂兵衛。そんな彼に思わぬ機転をもたらしたのが、巨大地震の発生でした。
これを機に土牢から脱出し、無事に浜松まで帰り着きます。

歴史小説を読んでいると、度々地震による被害が描かれています。
今回、この物語で描かれている地震は、天正13年11月29日(1586年1月8日)に発生した「天正地震」です。

この地震は、活断層による直下型地震で、震源は御母衣断層です。
地震の規模は、マグニチュード7.9~8.1と推定されています。大垣城の全壊焼失、三河城が大破、長島城が全壊、長浜城が全壊など、越中から京都、大和にかけて広い範囲で被害がありました。
現在の建築物のように耐震技術が無かっため、被害は甚大になったのでしょう。

天正地震の被害によって、秀吉は家康を攻めるどころではなくなりました。地震という自然災害が、日本の歴史の流れを変えたともいえます。
それでも秀吉は、着々と天下統一を進めていきます。

戦国時代はまだまだ続きます。
この物語りの主人公である植田茂兵衛は、架空の人物ですが、実在していたようなリアルさがあります。
「第一次上田合戦」で命拾いをした植田茂兵衛、この先どのような活躍をし、徳川家で出世していくのか、続きを読み進めていくのが楽しみです。

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