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【読書】清水克行(著)『室町ワンダーランド』を読了。
清水克行(著)『室町ワンダーランド』を読了しました。
読みやすい文章であるということと、書かれている内容が終始興味深くて、一気に読み終えてしまいました。
サブタイトルに『あなたの知らない「もうひとつの日本」』と書かれている通り、教科書には書かれていないことや、小説や映画には取り上げられないような日本史を学ぶことができました。
室町時代には「落書(らくしょ)」という匿名の投稿が影響力を持っていたようです。
「落書」とは、僧侶のあまり良くない行いを書いたものを、寺の玄関や庭に投げ込まれるのです。
現在の「お客様の声」のようなイメージでしょうか。SNSへの書き込みにも似ています。
『室町ワンダーランド』を読み終えて改めて感じたのは、日本史と、歴史小説という創作物を同じだと考えてはいけないということです。
全く別のものかというとそうではないのですが、後から創作したものを日本史と認識してしまうことは、やはり間違っていると思うのです。
とはいえ、個人で楽しむのなら別に構わないと思います。
しかし、創作した物語を史実だと思い込んで、他人に話すのはあまり良くないことでしょう。
室町時代に、私のご先祖様がどこで何をしていたのか、全くわかりません。記録がないのですから、名前すらわかりません。
あの徳川家康でさえ、室町時代に遡ると、先祖はかなり怪しいようです。
本屋さんに行くと、日本史に関する解説本がたくさん並べられています。
解説本というと、少し難しくて読みづらいイメージがありますが、『室町ワンダーランド』は、エッセイ集なので、気軽に読むことができます。
著者の清水克行さんは、史料の研究を続けている、ファクトチェックをする側の歴史学者なので、信頼性についても間違いありません。
『室町ワンダーランド』を読むと、創作された歴史小説や映画やドラマを、より一層楽しめるようになります。