【読了】井原忠政(著)『三河雑兵心得<八>小牧長久手仁義』|羽柴秀吉VS徳川家康〜勝者はどっち?
井原忠政(著)『三河雑兵心得シリーズ』の第8巻目、『小牧長久手仁義』を読了しました。
「本能寺の変」で織田信長が自害した後、羽柴秀吉は「山崎の戦い」で明智光秀に勝利しました。
「小牧・長久手の戦い」は、「本能寺の変」の僅か2年後の出来事です。
その間に羽柴秀吉は、織田信長の父である、織田信秀の時代から織田家に仕えている柴田勝家も滅ぼしています。
「小牧・長久手の戦い」は、羽柴秀吉と、徳川家康の唯一の対決となりました。
とはいえ、徳川家康は織田信長の次男である、織田信雄への援軍という形なので、正式には羽柴秀吉軍と織田・徳川連合軍の戦いということになります。
兵力では圧倒的に羽柴秀吉軍の方が優位ではありましたが、織田信雄から寝返った池田恒興と森長可の失態によって、形勢は逆転します。
そして、こう着状態が続く中、織田信雄は徳川家康に何の相談もなく、勝手に羽柴秀吉と和睦を結んでしまうのです。
梯子を外され、戦う大義がなくなってしまった徳川家康は、兵を引くしかありませんでした。
さて、羽柴秀吉と徳川家康、どちらが勝利したのでしょうか。
状況を検証してみると、羽柴秀吉と徳川家康は睨み合っただけで、直接は戦っていません。
そして、織田信雄が羽柴秀吉と勝手に和睦を結んだので、どちらも勝っていないし、どちらも負けていないのです。
しかし、羽柴秀吉としては、徳川家康に負けていないということが、なぜか大きなアドバンテージとなって、天下統一を果たすことになります。
ということは、結果的に、は羽柴秀吉が勝利者ということになるのでしょうか。
『三河雑兵心得シリーズ』は、現在14巻まで発売されています。
他にも読みたい本がたくさんあって、 なかなか最新刊まで追いつきません。
本は逃げる訳ではありません。地道に読み進めていきたいと思っています。