津村記久子著『水車小屋のネネ』|聴き進めていくほどに優しくなれる物語
津村記久子著『水車小屋のネネ』を、オーディオブックで聴き進めています。
全16時間02分の作品ですが、現在13時間27分まで聴き進みました。
高校を卒業したばかりの18歳の姉と、小学2年生の8歳だった妹が家を出てから31年が経ち、それぞれ49歳と39歳になりました。
周りの人たちに支えられて生きてきた2人は、支える側の人間に成長しました。
聴き進めていきながら、お金の問題と仕事をすることの意味、教育問題や子育ての問題など、世の中を生きていく上で、必要でかつ大切なことを、教えてくれました。
姉の名前は理佐(リサ)、妹の名前は律(リツ)といいます。
オーディオブックで聴いていると、この名前の漢字を認識することができないのが少し残念なところです。
しかし、物語に影響を与えるものではないので、さほど気になることはありません。
物語が進むにつれて、登場人物が次第に増えていきます。
前回オーディオブックで聴いた、『存在のすべてを』(塩田武士著)では、登場人物の多さに苦戦を強いられました。
しかし『水車小屋のネネ』は、どういう訳か、登場人物が増えてきても全く苦にならないのです。
これは、ミステリーと人間ドラマの違いからでしょうか。
姉妹の周りに起こるエピソードに対して、周囲の人たちの協力を得ながら力強く乗り越えていきます。
聴き進めていくほどに、優しい気持ちになれる物語です。
残り2時間35分となりました。
この先、後半に向けてどのようなドラマが待っているのか、聴き進めていくのが楽しみです。