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【読書】木皿泉(著)『昨日のカレー、明日のパン』を読了。

夏季休暇中、実家に帰ってお墓参りをしてきました。私の実家は、曽祖父が建てた家で、建ててから100年以上が経つ古い家です。私はその家で、結婚をする25歳まで暮らしていました。

私が生まれたとき、この家には、曽祖母、祖父と祖母、父と母、私の兄、姉、の4世代7人が暮らしていました。今ではその家で、90歳になる父が一人で暮らしています。

久しぶりに私の長女を連れて実家に帰ると、兄が既に帰っていました。いつもなら夕方からお墓参りに行くのですが、台風が近づいており、雨が降ってくる前に行こうということで、お昼過ぎに出かけました。

お墓から帰って、台風に備えて雨戸を閉めました。古い家の木の雨戸を閉めるのは一苦労です。90歳の父1人では到底無理で、兄と私の長女と私の3人で閉めました。この雨戸一枚一枚にも、私の思い出が詰まっています。私だけでなく、4世代の思い出を記憶している筈です。

私が子供の頃、父はあまり喋らない人でした。学校の運動会や学芸会なんかの行事に見に来た記憶はなく、家族旅行とかいうものも、一度も行ったことはありませんでした。あまり子供には興味がなかったようで、私は、父親というのは何処の家でもそんなものかと思っていました。

歳をとってからの父は、とてもよく喋るようになりました。今から思うと、当時は父なりに色んな悩みもあって、子供に接している余裕がなかったのかもしれません。血が繋がっている家族といえども、1軒の家に複数の人が暮らしていると、様々な事が起こるものです。

そんな思い出のある家に帰ることができる私は、幸せだと思います。『昨日のカレー、明日のパン』を読んで、このようなことを書きたくなりました。何故か、そういう気持ちになる物語りです。

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