秋田麻早子(著)『絵を見る技術』第4章:なぜ、その色なのか?|フェルメールの「青」の秘密
秋田麻早子(著)『絵を見る技術』という本の、第4章「なぜ、その色なのか?」を読みました。
幼稚園から小学生に上がるとき、教科書や体操服と一緒に、絵の具と筆とパレットが入っている、画材セットというのも買ってもらいました。
子供の頃から、24色絵の具を使って絵を描くことができる私たちは、とても幸せです。
17世紀頃まで、絵の具はとても貴重なものでした。
特に青い絵の具は高価で、ラピスラズリという半貴石を原料とする「ウルトラマリン」は、金と同じくらいの価値がありました。
この「ウルトラマリン」を惜しげもなく使ったのが、フェルメールでした。
フェルメールの絵の魅力は、「青」にあったのです。
青い色が安価になったのは、1704年に人工顔料の「プルシャンブルー」が発明されてからです。
そして、1824年にチューブ入り絵の具が発明されます。
チューブ入り絵の具の発明により、屋外で絵を描くことが容易になりました。
それまでは、工房で原材料を調合していたのです。
中世の画家は、絵を描く技術があっても、思ったように色を使うことはできなかったのです。
現代は、パソコンを使って好きな色を楽しむことができます。
もしフェルメールが現代にタイムスリップして、パソコンの絵を見たら何を思うでしょうか。
絵の具の歴史、そして色の使い方を学ぶことで、美術館で絵画を見る楽しみがひとつ増えました。
最近は、美術館へ行くことができていません。
9月になって、ようやく暑さも和らいできました。
そろそろ美術館で、ゆっくりと絵画を楽しみたいという気持ちです。
先ずは、国立西洋美術館の常設展へと考えています。
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