井原忠政著『三河雑兵心得<拾> 馬廻役仁義』を読了|出世を続ける植田茂兵衛
井原忠政著『三河雑兵心得<拾>馬廻役仁義』を読了しました。
『三河雑兵心得シリーズ』は、戦国時代を舞台にした時代小説です。
2020年2月に第1巻『足軽仁義』が発売され、現在は第15巻『関ヶ原仁義』が、最新刊として発売されています。
戦国時代の百姓出身の武士、植田茂兵衛(フィクションの人物)が主人公です。
彼は百姓という身分階級の底辺から、武士の底辺である足軽となり、巻を追うごとに旗指足軽、足軽小頭、弓組寄騎を経て足軽大将となり、第10巻では、徳川家康の馬廻役に抜擢されました。
馬廻役とは、主君の護衛にあたる役割で、現在でいうところのボディーガードのような存在です。
主君に危機が迫れば、命を張って守らなければなりません。
豊臣秀吉と徳川家康の心理戦が続く中、秀吉は異父妹である旭姫を家康に嫁がせ、関係強化を図ります。
旭姫はこのとき46歳でした。
50年も生きれば御の字と言われた時代です。
しかも旭姫は結婚をしていた夫と強引に離縁させれるという、恐るべき政略結婚でした。
秀吉のそういった姿勢に、ついに家康も和睦せざるを得なくなり、大坂城に出向くことになったのです。
そこに随行したのが、植田茂兵衛でした。
第1巻から読み進めていますが、ここまで徳川家康と近しい間柄になるとは思ってもいませんでした。
この続きは、第11巻『百人組頭仁義』となります。
戦国時代はまだまだ終わりません。
長期に渡って楽しめるのが、長編時代小説の醍醐味です。
茂兵衛のさらなる出世物語に、目が離せません。