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【読書】『これは経費で落ちません10』〜ヘビーなライトノベル〜
1ヶ月の間に『これは経費で落ちません』の第8巻から第10巻までの3冊を一気に読んでしまいました。
簡単に読めてしまうのは、ライトノベルだからでしょうか。
読んだ本の数を稼ぐなら、ライトノベルばかり読んでいれば、年間300冊くらいは読めそうです。
これは経費で落ちません
この小説は、ライトノベルにしては内容がヘビーです。
確かに、恋愛話も出てきてライトな部分もありますが、ストーリーの中心は国税調査です。
この小説を、ライトノベルというカテゴリーに入れてしまってもいいのかという、疑問が湧きます。
そもそも、ライトノベルの定義がはっきりとしていません。
この小説は、ある程度会社の財務だとか税務について知っていないと楽しめません。
少なくとも、社会人としての経験が必要です。
知識になるから面白い
全くのファンタジーなら別ですが、小説というのは、基本的な部分は、事実に基づいたものでないと面白くないのです。
物語の枝葉の部分は作り話でもいいのですが、根っこや幹の部分は事実に基づいていないと面白くありません。
そしてその事実については、専門知識が必要な分野もあります。
読んでいる人が知らない事を知る、知識を得る事ができる小説が面白いのです。
青木裕子さんとは
著者の青木祐子さんについて、Wikipediaでは、1969年に長野県で生まれたことくらいしか書かれていません。
デビューは2003年なので34歳の時です。
恐らくそれまでは、どこかの企業で経理に関する仕事をされていたのだと思います。
そして、税務調査を受けた経験があるのではないかと思うのです。
経験がないと、国税局の税務調査の話なんて書けない筈です。
もし、そうでないとしたら、かなり勉強をされている筈です。
英語に変換して略したがる傾向
ライトノベルをラノベと略したりもします。
ラノベというと、軽い小説がより一層軽く感じます。
何でもかんでも英語に変換して、略して使うのは、最近の日本人の悪い傾向だと思います。
この傾向が始まったのは、セクハラという言葉を使い出してからです。
私はこの『これは経費で落ちません』シリーズを、ヘビーなライトノベルと呼びたいと思います。
重いけど軽い小説です。
ラノベというカテゴリに、一括りにして欲しくないのです。