見出し画像

津村記久子(著)『水車小屋のネネ』|厳しい環境の中で小さな幸せを見つけ出していく姉妹

今日この頃、オーディオブックで小説を聴きことにも、徐々に慣れてきました。
今は、津村記久子(著)『水車小屋のネネ』を聴き始めています。

津村紀久子さんの作品を聴くのは今回が初めてで、紙の本でも読んだことはありません。
だから、どんな雰囲気の作品なのか、とても興味深く聴き進めています。

『水車小屋のネネ』は、2024年本屋大賞2位に輝いた作品です。
津村紀久子さんにとっては、本屋大賞にノミネートされたこと自体、この作品が初めてです。
まだ、聴き始めたところですが、さすが本屋大賞にノミネートされるだけのことはあると思わせる世界感です。

物語は、18歳と8歳の姉妹が、辛い目にあっている状況から抜け出していくところから始まります。
厳しい環境の中でも、姉妹の関係性と、周囲の人たちとの交流が、とても可愛らしく描かれています。

舞台となるのは水車小屋のあるお蕎麦屋さん。想像するには、恐らく長野県のどこかだと思われます。
また、物語の中で出てくる上映中の映画のタイトルから考えると、1980年だと想像されます。

この設定から計算すると、姉の方は1962年生まれ、妹は1972年生まれになります。
私自身よりも姉は3歳年上で、妹は7歳年下になります。
そういうこともあって、聴いているとどこか懐かしく思える場面がたくさん出てきます。

水車小屋に存在するのが、ヨウムという種類の鳥の「ネネ」です。
オウムではなくヨウムなのですが、
この「ネネ」がよく喋るのです。
モノマネをする鳥の話はよく耳にしますが、「ネネ」は人間との会話が成立しているから不思議です。

決して普通の状況ではありません。
しかし、そんな中で小さな幸せを見つけ出していく日々を描いた物語りを聴いていると、心がなんとなく柔らかくなります。
全国の書店員さんがおすすめする理由が理解できます。

まだ聴き始めたばかりですが、これから姉妹はどのような人生を歩んでいくのか、そして主役であるヨウムの「ネネ」の役割がどのように展開していくのか、とても興味深いです。
本屋大賞2位に輝いた作品の魅力を、じっくりと味わいながら聴き進めていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?