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『黄色い家』(川上未映子著)を、オーディオブックで聴き終える。
川上未映子(著)『黄色い家』を、オーディオブックで聴き終えました。
19時間13分という長編作品でしたが、切なさと緊張と、ときどき心踊るような場面もあり、聴き応えのある作品でした。
オーディオブックで小説を聴くのは、これが6作品目となります
最初は、登場人物が多くなると混乱したり、ナレーターの声は耳に入ってきているのに、意識が違う方向に行ってしまって、聴き逃してしまったりすることが多かったのですが、ようやく慣れてきたように感じます。
『黄色い家』は、貧しい母子家庭で生まれた育った伊藤花という高校生が主人公です。
他に登場人物は、伊藤花の母親とその知り合いのつながりの人たちで、男性も登場します。
また、伊藤花の同年代の友達も登場します。
私はこの作品をAudibleで聴いたのですが、登場する様々な人物の台詞を、大内櫻子さんというナレーターが1人でこなします。
オーディオブックを聴き始めるまでは、ナレーターが文章を朗読するだけのものと思っていたのですが、全く違っていました。
オーディオブックのナレーターには、登場人物の喜怒哀楽を表現する能力が求められるのです。
しかも、複数の登場人物を使い分けて表現しなければならないのです。
当然ですが、文章を読み間違えたり、噛むようなこともあり得ません。
そのようなことが起きるたびに、録音をやり直しているのだと思われます。
19時間13分という『黄色い家』のオーディオブックが完成するまでには、とんでもない労力を費やしていることが想像できます。
自分でページを捲って読む読書は、自らの想像力を楽しむことができます。オーディオブックの場合は、移動中や家事をしながら作品を楽しめるという便利さだけでなく、ナレーターの表現力も楽しめるのです。
次は『図書館のお夜食』(原田ひ香著)を、オーディオブックで聴こうと思っています。
ナレーターは坂内愛さんです。
どんな表現力を聴かせていただけるのか、楽しみにしているところです。