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福澤徹三著『侠飯(おとこめし)⑩ 懐ウマ赤羽レトロ篇』|料理を食べるシーンを楽しみながら、インタビュー記事につい学ぶ

福澤徹三著『侠飯(おとこめし)⑩ 懐ウマ赤羽レトロ篇』を読み進めています。
同作は東京の下町、赤羽にある古民家ゲストハウスに滞在する若者3人と、どこから見てもヤクザにしか見えない、柳刃と火野という2人組の男たちの物語です。
現在、第5章の「懐かしいけど新しい。激ウマ昭和カレー」を読み終えたところです。

第5章で登場する料理

『侠飯シリーズ』の醍醐味は、美味しい料理を味わうシーンと、そのレシピを紹介されているところです。
第5章で登場する料理は、以下の3品です。

・赤ウインナーと魚肉ソーセージ、千切りキャベツ
マヨネーズやケチャップをつけて食べます。
・鯨ベーコンを添えた野菜サラダ
レタス、玉ねぎ、水菜、貝割れ大根、トマトなどの野菜を、鯨ベーコンで巻いて食べます。
・昭和風カレーライス
ルーが真っ黄色で、具は豚バラ肉と玉ネギだけのカレーライスで、ウスターソースをかけて食べます。

3品とも昭和感があってシンプルではありますが、とても美味しそうです。読んでいるうちに食欲が刺激され、私も昼食はレトルトカレーを味わいながら、小説の世界観に浸りました。

インタビュー記事の3つの形式

ゲストハウスに滞在する若者3人のうちの1人である、売れないライター・薫平は、柳刃と火野の2人に取材をしようとするものの、なかなかうまくいきません。
彼は、悩みながらもインタビュー記事の書き方について、考えます。
インタビュー記事には、以下の3つの形式があります。

・対話形式
Q &Q形式で、質問と回答を文字起こししたものを整えていく形です。
・一人称形式
ライター自身がインタビュイーになりきり、彼らの切り口を再現する形です。
・三人称形式
ライターが第三者視点で俯瞰し、評論的に描く形です。

「対話形式」が他のの形式と比べると簡単ですが、柳刃と火野からは、事前に「対話形式」は断られているので、「一人称形式」と「三人称形式」のどちらかで書き上げる必要があります。

これからの展開に期待

『侠飯』シリーズは、美味しい料理とレシピの紹介が魅力の中心ですが、インタビュー記事の書き方など、思ぬ学びにつながるところがある作品です。
『侠飯⑩懐ウマ赤羽レトロ編』も、読み進めてきて、半分以上ページが進みました。
この先、古民家ゲストハウスに滞在する5人に何が起こるのか、そして薫平は取材に成功して、記事を書き上げることができるのか、気になるところです。

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