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『黄色い家』(川上未映子著)を、オーディオブックで聴き進める。

川上未映子(著)『黄色い家』を、オーディオブックで聞き進めています。
全19時間13分という長い物語ですが、現在15時間05分まで聴き進みました。

三軒茶屋の一軒家で、女性4人が共同生活を開始します。
4人が働いていた、スナック「れもん」が火事となり、収入源を絶たれていよいよピンチとなり、危険な仕事に着手することになります。

物語の中で、常に付きまとうのが、お金の問題です。
世の中、人件費が上がってきているといっても、令和6年度の東京都の最低賃金1,163円です。
1日8時間働いても、1万円に届きません。

それでも、ゴルフ場の駐車場に行けば高級車が停まっており、銀座の高級クラブは毎晩賑わっています。
働けばお金がもらえるのは、当然のことですが、たくさん働いても少ししか貰えない人もいれば、少し働いただけでたくさん貰える人もいます。
中には、働かなくても銀行口座の数字が増えていく人もいます。

『黄色い家』を聴いていると、田内学さんの著書『お金の向こうに人がいる』や『きみのお金は誰のため』で、お金や経済について学んだことは、一体なんだったのだろうかと考えさせられます。
賭博や麻薬、詐欺などの闇の世界には、「経済」なんていう言葉は通用しないのです。

お金のない親の元に生まれ育った17歳の高校生は、やはりお金で苦労をする人生を送ることになります。
聴いていて、お金の問題になるたびに、体の芯が硬くなるような気分になります。まるで喉から胃までの食道が水道管になってしまったような感覚になるのです。

お金の無い家に生まれ育った人が、お金の問題から抜け出すにはどうすればいいのでしょうか。
お金の問題から抜け出すために喘ぎ苦しみ続けるしか無いのでしょうか。
そして喘ぎ苦しむ人間をカモにしようと目を光らせている輩に、人生を崩壊させられて、終わりを待つしか無いのでしょうか。

聴き終わるまで、残り4時間ほどになりました。
三軒茶屋の一軒家で共同生活を送る4人の女性が、この後どのような人生を送ることになるのか。
悲しさと苦しさと怒りを感じながら、最後まで聴き進めていきます。


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