心を満たすために、食べるんだ。
2020年に私が選択したもの、それは食事だ。
食事を通して、自分の心と向き合った1年だった。
ダイエットとは、食事を丁寧に選択すること
コロナが猛威を振るい始めた3月、私は過去最高体重をたたき出した。
ダイエットを始めたきっかけは、緊急事態宣言中に減量に成功した友達だった。
「小さい頃から太っていて、いいかげんに痩せたいと思った」という。
私も中3からずっとポッチャリ体型だったので、友達の想いに共感した。
6月にダイエットを決意し、そこから一つ一つの食事を意識的に選択してきた。
「○○だけダイエット」や「○○抜きダイエット」は長続きしないと思った。
だから、三大栄養素のたんぱく質・脂質・炭水化物をバランスよく摂ることにした。
食べたものを毎日記録した。
ダイエット1~2ヵ月目は、面白いように体重が落ちた。
毎回の食事を丁寧に選択することが、減量への近道だと思った。
毎日たくさんの気づきがあった。
健康食品は結構おいしい。
プロテインには、ココア味やミルクティー味があって、ジュースみたいだ。
ラカントは魔法のアイテム。低糖質のスイーツが作れる。
糖質0麺を使ったつけ麺が、美味しかった。
食事制限中にもかかわらず、毎回の食事がすごく楽しかった。
わかっているのに、正しい選択ができない
けれど、いつも正しい選択が出来たわけじゃない。
じゃがりこや堅あげポテトを無性に食べたくなる時があった。
食べたらダメだとわかっているのに、食べてしまう。
大体そういうときは、疲れていたり、不安があるときだ。
なぜかダイエットというと「挑戦→成功!」をイメージしてしまう。
それはきっと、ダイエット成功者たちが「失敗」の部分をあまり晒さないからだろう。
「挑戦→成功!」のイメージが強いから、一度でもドカ食いして食事制限に失敗すると、急にやる気がなくなってしまう。
でも実際は、ダイエットとは「挑戦→失敗→失敗→成功→失敗→失敗→成功!」の流れだと思う。
一度食べてしまっても、その後1~3日で調整する。決して自分を責めない。
ダイエット3~5ヶ月目で気持ちが緩んできたが、なんとか乗り越えた。
6か月間「意識的に」食事を選択して、たどり着いた答え
50kg台の壁を破り、目標体重まであと少しとなった。
12月に入り、だんだんと焦りが出てきた。
年内にダイエットを終わらせたい。
そして、それは突然起きた。
無性になにか食べたい衝動が、深夜にやってきた。
カステラ、クッキー、アイス、大福、食パン。
キッチンにあったものをひとしきり食べてしまった。
やってしまった…。まぁ、また明日食事を調整すればいい。
そして、次の日もまたドカ食いしてしまった。
そして、その次の日も。
なぜか急に自分がコントロールできなくなった。張り詰めていた糸がプツンと切れてしまった。
原因がわからず、とりあえず調べてみた。
ある栄養士のサイトに、こう書いてあった。
「食べることの目的は、身体に栄養を与えること。そして、心に栄養をあたえること。スイーツは体の栄養にはならないけれど、心には必要な栄養。だから食べていい。」
「心の栄養不足は、本当に食べたいものを食べてないから起こる」
近ごろの自分を思い出してみた。
年内に目標体重になりたいと焦っていた。
本当は生クリームとイチゴのクリスマスケーキが食べたかった。でも、おから蒸しケーキを食べた。
本当はカツカレーが食べたかった。でも、野菜スープカレーを食べた。
本当に食べたいものを我慢して、ストレスでその辺にあったものをドカ食いしてしまう。
それじゃあ、プラマイゼロじゃないか。
食事制限を始めた頃は、美味しい健康食品を探したり、ヘルシーレシピを考えたりと楽しかった。ドカ食いは一度もなかった。
いつからか、食事は我慢するものに変わっていた。
あれは食べちゃいけない、これは食べちゃいけない。
はやく痩せたいと焦って、そんなことばかり考えていた。
それからは、食事の前に「これは本当に食べたいもの?」と自問自答するようになった。
すると、一回の食事の満足度があがり、ドカ食いはおさまった。
年内に目標体重にはなれないが、ならば2021年に達成すればいい。
6月から12月まで「食事の選択」を意識的にしてきた。たどり着いた答えは「食事は心を満たすためにある」ことだった。