一人ひとりに合った教育の選択肢を届けたい。「MEキャンパス」アドバイザリー・白井 智子氏に伺いました!
こんにちは!好きな自分で学べる“メタバースの学校”「MEキャンパス」です。
「MEキャンパス」は、メタバース空間で好きなアバターを使って学校生活を送り、動画教材や課題制作によって「メタバースクリエイター」になるためのスキルが学べる学校です。
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「MEキャンパス」では、ビジョン実現や健全な学校運営に向けて「アドバイザリーボード」を設置しています。
アドバイザリーボードに参画いただいた方へのインタビュー第二回として、今回の記事では数々のプロジェクトに関わる特定非営利活動法人新公益連盟代表理事の白井 智子氏に、ご自身の経験から「MEキャンパス」への想いなどをお伺いしました。
前編では、日本のフリースクールの草分け的存在となった学校を約25年前に立ち上げた白井氏に、現在の教育現場の課題や「新しい教育」の重要性について伺った内容をご紹介します。
発信や教育現場の立ち上げを通じて、自分にあった教育が受けられる社会づくり
社会課題解決を行う企業やNPO団体が加盟する連盟組織「新公益連盟」の代表をつとめる白井氏は、全国の子ども一人ひとりが自分にあった教育と支援が受けられる社会づくりに向けて、不登校や発達障害・ひきこもりなどさまざまな課題と向き合う子どもへの支援を続けています。
日本初の公設民営フリースクール「スマイルファクトリー」の立ち上げや「NPO法人トイボックス」の設立に携わり、現在は教育現場での活動に加えて、フリースクールの存在意義や必要性を社会に広めるためにメディアでの発信や政策提起も行っています。
フリースクールに誰でも通えるように。現在の取り組みについて
白井氏の教育に関する代表的な取り組みの一つに、「フリースクール」の立ち上げがあります。白井氏は1999年に沖縄でフリースクールの立ち上げに参加し、2年半校長を勤めました。その後立ち上げた日本初の公設民営フリースクール「スマイルファクトリー」も多くの子どもの居場所になりました。
フリースクールとは、何らかの事情で学校に行くことができない、行かない、行きたくても行けない子どもが、学び生活をするための場所です。
現在は全国に約500ヵ所まで広がるフリースクールですが、白井氏がフリースクールを立ち上げた約25年前はその概念が浸透しておらず、「不登校」の学生を受け入れる環境は整備されていませんでした。
「学校に行きたくても行けない環境にいる生徒や事情を抱えた子どもがいることを大人は説明ができませんでした。私たちはその時代にフリースクールを立ち上げ、まわりの環境に上手く馴染めなかった子どもたちの居場所づくりに取り組んでいました。当時は厳しい言葉が向けられることもありましたが、子どもたちを守るために政府への提言や施設の拡大を続けてきたんです。」と白井氏は当時を振り返って話します。
法律やシステムの認知拡大に向けて動く
2016年、「教育機会確保法」が制定されました。教育機会確保法には、学校を休む必要がある子どもがいるということが明記されています。また、国や自治体が子どものために多様な教育の場を整備しなければならないことや、教育機関と連携して取り組みを進めることも記述されています。
フリースクールに通う子どもがどういった環境に置かれているのか、社会が理解するきっかけを作ったこの法律は革命的でした。
一方で、この法律がいまだに世間に浸透しきっていないという課題もあります。
「法律って、メッセージだと思うんです。教育機会確保法は、多様な子どもに合わせた多様な教育の場を今まで提供できていなかったことを認め、これからは改善していくことを示す宣言として当事者の子どもや親に希望を与えました。
しかし、教育現場での認知や正しい理解が不十分なために、困っている子ども全員が法律の恩恵を受けられる状態ではないことは明らかです。」と白井氏は語ります。
2022年に文部科学省から出された調査によると、フリースクールを含む民間施設の利用者は、不登校児童数のうちのわずか3.7%という結果が出ました。(PR TIMES 『不登校児童は過去最高の約24万人。学校に行けずに苦しんでいる子どもと保護者に「フリースクールという選択肢が存在する」ことを知ってもらうための書籍が発売 』より)
「子どもが生まれてくる環境を選べない中で、学資を出せる状況にない子がフリースクールに通えない現状は、是正する必要があります。世の中に情報を広めシステムを変え、どこで生まれても、どこに住んでいてもフリースクールなどの多様な教育の場に通う選択肢を平等に持てるようにしていきたい。」と話す白井氏は、現場だけでなく、メディアでの発信や政策提起なども行っています。
多様性に溢れたおもしろい学校を作る。MEキャンパスで目指す、新しい教育作り
4月に開校するMEキャンパスでは、白井氏にアドバイザリーボードを務めていただいています。MEキャンパスに参画した経緯として、白井氏はこのような発信の活動を行う一方でもう一つのテーマとして取り組んでいる「新しい教育づくり」が関係していると話します。
子どもは一人ひとり脳のつくりも身体のつくりも多様なのに、同じことを同じように学ばせる画一的な教育が、今までの日本では当たり前に行われてきました。この教育に馴染めず、居場所を失ってしまう子どももたくさんいます。
白井氏はこの状況を打破し、多様な子どもたちに合った、多様な教育の選択肢を提供するために、自身で教育プロジェクトを立ち上げたり、一人ひとりに合った教育の選択肢を提供する新たな教育機会の創出に取り組んだりしています。
「同じような志を持った団体のお手伝いをすることもあり、今回のMEキャンパス・アドバイザリーボードはその一環として就任しました。
多様性に溢れたおもしろい学校を作るために、他のアドバイザリーボードの方やメンター、コミュニティマネージャー、もちろん生徒の皆さんとも一緒に、実験的な取り組みをどんどんと仕掛けていきたいと考えています。」と意気込みをお話しいただきました。
MEキャンパスはみんなで創っていくことのできる、夢のある環境
MEキャンパスは、いつでもどこからでも、好きな自分で通える学校であり、多様な在り方を受けいれる場所。白井氏は、今まで自分の肌に合う場所が見つからなかった子どもにとって、MEキャンパスは新たな居場所になり得ると話します。
「MEキャンパスは新設されたばかりですし、『メタバースの学校』というコンセプトの意味でもまさに新しい教育の形だと考えています。だからこそ、生徒の皆さんはびっくりすることが多くあるかもしれません。
しかし、最先端の技術を駆使した未来の空間でそれらを作る技術が学べるMEキャンパスはこれから皆の手で創っていくことができる、夢のある環境です。ここに行くしかないから行くのではなく、ここに行きたいから行く。そういうかたちで学生生活が過ごせる場所になる可能性をMEキャンパスは持っているのではないでしょうか。」とメッセージをいただきました。
多様な子どもたちに合った、多様な選択肢を届けたい。そんな想いのもと教育現場からメディア発信まで多岐にわたる方法でアプローチを続ける白井氏をアドバイザリーボードに迎え、MEキャンパスは新たな学びの場となることを目指します。
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