最期で最初の180円『カミハテ商店』の初見感想文。
映画『カミハテ商店』のネタバレ初見感想文です。
自殺の名所を扱った映画です。
最近映画の感想文ばかりだ。
綺麗な映画だった。綺麗事ではなかったけれど。
見ながら、
ベタベタ仲良くしなくても、軽く挨拶を交わせる程度の人がいるだけで、生命力が格段に上がるのが人間
という文章をメモしていた。
(※アマプラで見ました。映画館ではメモを出したりしないよ。)
奥田くんと千代さんの関係が、とても美しかった。
「まいどあり」という少ない文字数でしかやり取りしない奥田くんは、よく話す役所の人よりも、ずっとずっと千代さんの心にとって大きかったのかもしれない。
声を張って奥田くんを止めたあの時から、千代さんは格段に強くなったし優しくなった気がする。
心の底から失いたくない存在がいないと、見ず知らずの誰かを本気で失いたくないと願って止めるのは難しいし。共感力によるけど。
少なくとも千代さんはそれが上手くできていなかったように思う。
奥田くんを死の崖から守りたい、その一瞬の切実な願いを経て、千代さんはあの笑顔にたどり着いたのかな。
しんどい人生、急に劇的に愛され始めることは、まずない。
でも、ぽっと出会ってぽっと別れた人の小さな優しさをちびちび舐めて飢えをしのいでたら、いつの間にか希死念慮を脱していたことはある。
そういう話なのかな、と。
これはキャラ萌えするオタクの感想なんだけど、平和な空間でコッペパンと牛乳を食べる千代さんと奥田くんを見せてくれよ、自殺を止めるのはカウンセラーや医者の仕事で一般人に任せることじゃないだろ、とりあえず役所は将棋してないで崖に柵を作れ。野暮なこと言うな