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想像していなかった未来

今日は、マイナビ×noteの投稿コンテストの題である「想像していなかった未来」について書きます。

「時というものは、それぞれの人間によって、それぞれの速さで走るものなのだよ。」

これは、16世紀に生きた有名な劇作家であるウィリアム・シェークスピアの言葉です。

シェークスピアは、紹介するまでもなく、「ハムレト」「リア王」「マクベス」「オセロ」などの四大悲劇で有名な劇作家です。

現在でもその作品は、輝きを失わず、その起伏に富んだストーリーは全世界で愛されています。謂わば、「演劇のバイブル」ともなっています。しかし、彼が作り出した作品とは違い、シェークスピアの私生活は、意外と単調なものでした。

劇作家を目指してロンドンに上京し、18歳の時に8歳年上のアン・ハサウェイ(アメリカの俳優さんと同姓同名)と結婚し、生涯この女性を愛し、三人の娘と一人の息子に恵まれます。そして、腐ったニシンにより伝染病にかかり、51歳の誕生日に亡くなります。

ただ、シェークスピアが他の当時の人達と違ったことは、エリザベス朝演劇の興隆に伴って、劇場や劇団が次々と設立されている最中に、舞台を愛し役者としてロンドンの演劇界に登場し、傍で脚本を手がけると、それが大ヒットして、たちまち劇作家として有名となり、最終的には、イギリス国王であるジェームズ1世が自ら庇護者となることを約束するなど、「国王お抱えの劇作家」まで上り詰めた事です。

しかし、このシェークスピアの活躍は、当時のライバルである劇作家の嫉妬を買うこととなります。

曰く

「役者の皮を被ってはいるが心は虎も同然の、我々の羽毛で着飾った成り上がりのカラスが近ごろ現われ、諸君の中でも最良の書き手と同じくらい優れた短編詩を自分も紡ぎうると慢心している。たかが何でも屋の分際で、自分こそが国内で唯一の舞台を揺るがす者(Shake-scene)であると自惚れている」

と。

これに対して、シェークスピアが発した言葉が、上記の「時というものは〜」という言葉です。この言葉は、シェークスピアの劇作「お気にめすまま」第3幕第2場、主人公である男装しているロザリンドが、後に夫となるオーランドに言うセリフです。

これは、「嫉妬する」といった無価値な時間を過ごすのでは無く、その時間を有効的に利用して創作活動を行うことこそが大切であることを表しています。

時計の刻む時間とは、物理学的に数値で表されたものであり、すべての人に等しく流れるものです。

然しながら、これは時間の本質ではなく、人間にとって純粋な時間とは、私たちの意識の外で無関係に流れているものでは無く、私たちの意識と共に流れ、その瞬間瞬間に、意識が生まれ、刻々とそれが変化しながら流れていき、その流れの積み重ねこそが、「真の時間」と言うものです。

つまり、シェークスピアは、この時間の相対性と言うものを他の誰よりも理解しており、その情熱を一瞬一瞬に込め、劇作家として成功します。

そんなシェークスピアにとっても「想像していなかった未来」とは、彼が生み出し戯曲で使用された英語が、実は現在の英語表現のルールを標準化し、かつ、約1,700個の英単語を作りだしたことにより、彼の作品が数百年たっても、読まれ続けられ、舞台で演じられているという事実です。

この事実は、夢や情熱を今この瞬間に込めることにより、その先の「想像していなかった未来」を生み出すことを如実に表しています。

過去の動かない名声や成功例に固執し「退屈な未来」を迎えるか、それとも、「想像さえしていなかった輝かしい未来」を迎えるかは、あなた次第です。












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