「ネオテニー」
人類ネオテニー(幼形成熟)説。
チンパンジーの子供が人間と似ている点が多く、なんらかの理由で発育不全に陥ったチンパンジーの中から性的に成熟できたものが進化したのが人類だというもの。
人類の特徴である薄い体毛、大きい頭部、凹凸の少ない顏、短い手足、そして好奇心や遊び好きな点なども、他の動物であれば成体になると失われるものである。
サルの幼児期が延長され、胎児のまま一生を終えるような生き物が、人類である。幼児期は知能が発達する時期であり、幼児期が延長されたことにより、人間は今の知能を得ることができたと・・・。
人類の中でも、黒人や白人に比べ、東洋人が幼く見えるということは、人類が人類と成り得た特徴を最も色濃く有しているわけで、その東洋人の中でも幼く見え、しかもなかなか老け込まない日本人は、最もネオテニー化が進んでいるとも言われる。そんなことからも、ネオテニーの特徴である好奇心や遊びが最も高度に発揮される創造性においても一歩先を進んでいるように見える。
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幼形成熟について調べようと思って検索してみたところ、二足歩行へ進化した理由として「アクア説」というのが出てきた。
これはかつてテレビ番組で見たことがあり初耳ではなかったが、その根拠が並べられた内容を見ると、「なるほど」と納得できる点があった。
◎人間の類人猿とは異なる形態のうち、次のものは水中で生活する生物の形態に似ている。
① 人間は類人猿と比べると体毛が少なく、皮下脂肪で体温維持をしている。また、人間の毛の生える向きは、泳ぐときに流れる水の向きに一致するという。
② 人間は、向かい合ってセックスを行なう。水生生物では一般的だという。
③ 生まれてすぐの赤ちゃんは、水の中で泳ぐ。ただし、10か月程度を過ぎると、そうはいかないという。また、ロシアのある産婦人科医院では、水中での出産を一時期行なっていた例がある。
これらの例のとおり、人間には類人猿とは異なる水中生物と似た形態があることから、一時期、水中活動を中心とする生活を行なっていた時期があったと考える。その時期に、水中での二足歩行を行い、泳ぐための直線的な体型を身に着け、人類への一歩を踏み出したのではないかというのが、アクア説である。
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現時点で最も有力とされるのが「サバンナ説」。
樹上生活をしていた人類の祖先が、生活範囲をサバンナ(草原)に広げたことがきっかけで急速に無毛化が進んだとするもの。
アフリカ大陸のサバンナは、厳しい直射日光を遮る樹木がなく、高温で乾燥している。こうした過酷な環境を生き抜くうえでは、体温が高温にならないように効率的にからだを冷やす必要がある。
人間は、水分を大量に含んだ汗を分泌するエクリン腺を全身に持っており、大量の汗を放出することで皮膚から気化熱を奪うことで体温を下げている。発汗による効率的な熱放出を考えると、汗腺が長い毛で覆われているより、薄い産毛で汗腺が外気に露出しているほうが有利。
なお、「サバンナ説」では、ヒトで頭髪が残っているのは、頭を紫外線や直射日光から防ぐためだと説明している。