【365日のしあわせ】ふたごのたまご
「あ、ふたごだ」
思わず声が出た。
なにがー?と息子がよたよたと寄ってくる。
「たまごさんがね。ほら」
まだ小さい息子を、けれど以前よりもぐっと力を込めて抱き上げる。
「ほんとだぁ」
かわいいね、と2人で笑った。
すぐに腕が痺れてきたので、最後にぎゅっと力を込めてからゆっくりとおろす。
いつか、きっとそう遠くない未来に。
息子は大きくなって、私がだっこできる日は来なくなるのだろう。
「あんなに軽かったのに」
また、なにがー?と息子は私を見上げた。
なんでもないよ、と笑う。
「朝ごはんにしよっか」
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