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コオロギラーメンを食べに行った!

みなさん、お久しぶりです。
ここしばらく就職活動やら研究発表などで忙しくnoteを更新することができませんでした。筆を取るのは(キーボードを叩くのは)久しぶりなので書き方や言い回しを忘れてしまっている節はあるがお許しいただきたい。

さっそくだが皆は虫を食べたことはあるだろうか?最近話題の昆虫食だが世間的にはゲテモノ扱いでなかなか浸透していないし、どちらかというと否定的な意見が大多数を占めるだろう。しかし僕もアマチュアだが物書きであり、何度かnote公式に取り上げてもらったり、多くの方に読んでもらった経験があるのだ。話題になっている昆虫食を体験しないのは極めてナンセンスだろう。
そこで僕は昆虫食に挑戦することにした。まぁとはいってもコオロギパウダーのお菓子を食べたことや、タイのカオサン通りでサソリを食べたことはあるけどね(笑)

そもそも昆虫食とは何なのか

書いて字のごとく'昆虫をたべること'である。古くから人間は貴重なたんぱく源として昆虫を食べてきた歴史がある。日本では長野県がハチノコを食べることで有名なのではないだろうか。肉食が禁止されてきた日本で、水産資源に乏しく山間部で決して多くの穀物が収穫できたとは言えない長野県において、昆虫食が発展したというのは至極当然であろうな。
話は変わるがかまぼこの赤色はカイガラムシのコチニール色素を基にしているらしいし、蜂蜜だってミツバチの唾液を基にできているのだから僕らも昆虫食とは密接に関わっていると言えるだろう。

昆虫食がなぜ今話題になっているのかというと、人類の食料生産が追い付かなくなってきているからだ。少子高齢化の日本ではイメージしにくいが地球全体では人口は増加し続けており、食料の生産が追い付かない状況なのだ。そこで目をつけられたのが昆虫である。牛や豚と異なり狭いスペースで少ない餌と水で大量に育てることができるし、二酸化炭素の排出量も格段に少ない。特に牛はげっぷが温室効果ガスであるメタンだし、1キロの牛肉を得るために必要な飼料は約10キロ、仮想水に至っては約20トンである(仮想水とは農畜産物の生産に伴い売買される水の量のこと)。対してコオロギなら1キロあたり必要な飼料は約1.5キロ、仮想水は約450キロであり非常にお得なのである。他の豚やヤギなどと比べても非常に少ない。(これは鶏よりも少ない量ではあり、大幅に少ないわけではないことが否定的な意見を増長させている一因ではあるがここでは無視する。)
このことは10代20代の人たちなら社会の教科書や英語の文章問題などで出てきたので知っている人も多いのではないだろうか。

批判の多い昆虫食

昆虫食が叩かれている理由はいくつかある。
たとえば補助金問題である。

現在日本はSDGsの観点から持続可能な食料供給を目指している。簡単に言えば世界中のみんなが腹いっぱい食えるように頑張ろうぜということである。下のwebページやpdfを見てほしい。

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sosyutu/attach/pdf/meguji.pdf

上記のpdfをざっと見た感じだと我が国はフードテックに対して予算を割いている。これ自体は事実らしいのだがSNS上での話題は言うと、国と仲良しこよしな怪しい団体や各企業などが食用コオロギ事業に参入し補助金をチューチューしているのではないかということだ。
これ自体はまぁ怪しいものであるな。グレーゾーンに近いところもあるだろう。とはいえ国としては特定の会社に対して補助金を割いているわけではないし、こうした問題は昆虫食に限ったことではない。各研究機関に対して平等に資金を分配している。

他にはもある。給食にコオロギを入れたということ。

正確には入れたというのではなく、希望する生徒に提供した、のである。
教育を通じて生徒と教員双方の理解を得たうえで、希望する生徒に提供しましょうねというわけだったのだが、何も関係のない外野の人間が騒ぎ立て事を大きくしたのである。
「子供に虫を食わせるな!」「安全性はどうなんだ!」
などとクレームや誹謗中傷が数多く学校に送られてきたらしい。

他にはある会社のコオロギパウダーをパンに混ぜた商品の話が大げさに騒ぎ立てられたりもしたし、かねてからコオロギせんべいを扱っていた無印商品が批判されたりすることもあった。
確かに昆虫はきもいものが多いし、僕だって好き好んで食べたりはしない。そもそも日本で大量に廃棄されている食材を考えればそちらを解決すべきなのではないかとも思う(コンビニの高い弁当の廃棄とかマジで欲しい)。とはいえ人類のこれからの食料事情を考えてみると、昆虫食という新たな可能性に投資していくことは大切なはずだ。それが文明の発展であり、科学であり、人類の発展につながっていくはずだ。
そして何より、美味しいなら食べたほうがいいじゃん?

コオロギカレーを食べてみた

というわけでさっそく僕はさっそく挑戦してみることにした。前述したようにタイで試食したサソリや、コオロギパウダーを用いたお菓子やスナックなどではなくきちんとした昆虫食に挑戦したいと考えた。僕はいつかそんな日が来るだろうと考えてある物を買っていた。
それがこのこおろぎカレーである。

見た感じめちゃくちゃ美味しそう!

以前訪れた浅草にある昆虫食専門店TAKEOさんで購入したものだ。

さっそく作っていくぞ!

材料はこんな感じか

なるほど、作り方はいたってシンプルなインスタントカレーだな。だけどせっかくならきちんと湯煎して食べてみようか。

じっくり温める。

完成だ!これが昆虫食であるこおろぎカレーだ!

お皿ギリギリだけど気にするな

足りないと思ってシュウマイをついでに用意したが気にするな。さっそく食べてみよう。


異物混入感がしてしまう…

これが…コオロギか…。いざ食べるとなるとなかなかに気が引けるな。食べようと思っても今までに培ってきた人生経験に由来する理性が手を止めてしまう。

うっ……

ええい、ままよ!

うーむ、おいしくない…

でも命なので全ていただく、ごちそうさまでした。

なんというか頭の部分は硬くてゴリゴリするのに腹の部分は柔らかくでふにゃふにゃだ。おまけに飲み込もうにも足や産卵管のようなものが喉に引っかかる。これが余計に気持ち悪い…。ココナッツカレーなのでココナッツ風味のカレーではあるが、コオロギと合うとは個人的に思えなかった。別々に食べたいと思うし、何ならお互いのいいところを打ち消し合っているような気がする。結果として両方があまりおいしくなくなっていると感じる。決して作り手の方を批判するわけではないが、また別の料理の方がいい気がする。ならば確実においしい料理を食べに行くしかない。

コオロギラーメンを食べに行く

確実においしい昆虫食、というわけで僕が考えたのはコオロギラーメンだ。
僕が行こうと考えたのは昆虫食を提供している'ANTCICADA'さんだ。

人気野食系ユーチューバー'ほもさぴ'もYouTubeで取り上げているし、なによりテレビでも何度も取り上げられているお店だ。話に聞くとあの長澤まさみさんもおいしいと絶賛したらしい。そうでなくともこの見た目は食欲がそそる。
というわけでさっそくレッツゴーだ。今回はコオロギラーメンを食べに行くので営業日である日曜日に伺った。別の日は要予約だが昆虫食やジビエを提供するコース料理が食べられるらしい。

最寄り駅の浅草橋駅を降りて向かう。

この日は快晴のためかとても暑かった。うだるような暑さの中店に向かう。暑い暑い。

暑さで雨も少なかったせいか川の水もどことなく少ないなぁ。

鳩ぽっぽは何食ってるんだ?

えっと…ここのはずだけど…。どこだろう?

どこだ…?

あぁここか。大きな看板があるわけではないので気が付くのに遅れてしまった。

このAの文字が目印

この扉の奥に…。

こんなひっそりしてるドアを開けて良いのか不安になるが…

いざ、オープン!として写真を見せたいけどなんとお店の中は大賑わいだったので写真は撮れなかった。

店内イメージ図

失礼かもしれないが、昆虫食愛好家の地味な見た目の人たちがひっそり黙々と食べているイメージだったが全然そんなことはなかった。ヤンチャそうな大学生や子連れの主婦、タトゥーの入ったお姉さんや外国人の人までいた。おそらく店主の'地球少年'さんだろうか、じろじろ顔を見るのは失礼なのであまり見ていないがほもさぴのYouTubeで見た方の気がする。英語で外国人の方とやり取りしていた。海外の人にも知られているんだなぁ。

関係ないけど学生時代にすでにテレビで取材を受けていたようだ。かなりの高学歴の方で英語を話せるのは当然なのかもしれない。

お店の従業員の方がせわしなく動き回り調理や接客をしてくれている。女性の方が僕のところに来てくれた。初めての来店の旨を伝えるとコオロギラーメンについて説明してくれた。簡潔に言うと
・ラーメン一杯につきコオロギ約160匹が使用されている
・二種類のコオロギがブレンドされている。
・麺にもコオロギが使用されている

ということだ。

企業とも提携してるんだって!
本格的な昆虫食はまた今度にして今回のメインはラーメンだ


今回僕はコオロギラーメンと、蚕沙茶(蚕糞のお茶)、そして自家製カメムシコーラをいただいた。蚕沙茶だが店員さんの方は漸江省産が好みとのことなので同じのをいただいた。山梨県産はまた次回にしよう。

蚕のお茶


見た目はただのお茶

まずは蚕沙茶をいただく。パッと見るとただのお茶のように見える。匂いを嗅ぐと糞という感覚はなく、緑茶や紅茶とは異なる匂いが感じられる。どちらかというと漢方や薬膳系の植物に近いかもしれない。そして飲んでみるとスーッと喉を通っていく。感覚としてはジャスミン茶のようなすっとしたのど越しを感じることができる。糞ということを意識してしまうとやや気後れしてしまうが、高級品のジャコウネコのフンを基に作り出すコーヒーに比べるとはるかにいいだろう。蚕は桑の葉しか食べないのだから。

コオロギラーメン


見た目で美味いって分かる

次にコオロギラーメンが運ばれてきた。うん、いかにもラーメンって感じですごくおいしそう。最近はおしゃれなラーメン屋さんが増えているが新宿の人気ラーメンのラーメンと言っても騙される人がいそうな見た目だ。スープをすするとほのかに煮干しのような独特の風味が感じられ、同時に甲殻類系の芳香な風味が出てくる。それでいて既存のラーメンとは異なった味がある。正直に言うとめちゃくちゃう美味い。コオロギの出汁がここまでおいしいとは思わなかった。

麺は平たくどちらかというときしめんに近い感じだ。こちらがまたもちもちしてておいしい。麺をすするともちもちとコオロギスープが口の中で混ざり合う。最近は全粒粉の麺を使っているお店が多いためこれまた個性があっておいしく感じられる。
さてここでお待ちかねのコオロギの素揚げを食べてみる。

コオロギ🦗だ…
うーむ…

いかにもコオロギを素揚げにしましたという見た目だが…。いざ勇気を出して実食!

美味い!!誇張抜きで野菜の甘みが口の中に広がる。たとえるなら野菜チップスが近いかもしれない。コオロギというとエビの味だという話が有名だが個人的にはエビ:野菜=1:9といってもいいと思う。野菜チップスをコオロギの形に成形しているとデマが出るかもしれない。しかも僕が嫌だったコオロギの足や産卵管のような部位が喉に引っかかることもなかった。野菜を食べさせたコオロギを調理する前に餌の量を減らしたりして工夫しているらしいが、こんなにもおいしくなるとは思わなかったな。トッピングする数を増やしていただきたい。
そうそうトッピングのチャーシューやメンマなども言わずもがな美味かった。

ちなみに出汁を取った後のコオロギたちがこれだ。

香りもいい匂い

お客さんたちに見せてくれているようで、写真も撮らせてくれた。キノコとかも入ってはいるけれど、こんなに大量のコオロギが使われているんだなぁ。

自家製カメムシコーラ


見た目はクラフトコーラ

これはカメムシのコーラだ。食後のデザート感覚で飲んでみる。飲んでみるとほのかにパクチーの風味とクラフトコーラ特有のスパイスの辛さが口の中に広がる。これが本当にカメムシとは思えないな。もし家で再現したい人がクラフトコーラに少しパクチーを混ぜてみるといいかもしれない。ただそれでは意味がないので本物のカメムシコーラを飲んでみてほしい。美味しさとカメムシらしさが分かるはず

行ってみてよかった

何かと話題になってはいるが、なかなか口にすることのない昆虫食だったが、こうして体験しなければ実態というのはわからない。身近なようで何も知らない昆虫たちだが、将来の僕たちのおいしい食事になるかもしれないのだ。これを読んでくれた人は昆虫が嫌いかもしれない(僕も蜘蛛やカマドウマやGは嫌いだ)そしてすべての昆虫をとは言わないが、もう少し彼らに目を向けてくれないだろうか?また別の姿が見えてくるはずだ。
ではでは、今回は長い文章になってしまいましたが読んでくれてありがとうございます。また会いましょう!

余談

期間限定なのか、普段からなのかは知らないがステッカーをもらえた。

他にも種類はあるらしい

それとお店の外に出ると5人くらい人が並んでいたので混まないように早くに行ったり、夏の間は日傘なんかを持っていくといいかもしれない。

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