#123　不機嫌な女

僕は不機嫌な女が好きだ。

不機嫌な女ほど、可愛いものはない。
ぷいと膨れた頬は潰したくなるし、
それでまたしかめっ面する君も好きなんだ。

僕は不機嫌な女が好きだ。

不機嫌な女ほど、人間味のあるものはない。
感情はむき出しで、理性なんてない。
物は飛んでいくし、積みあがった本も崩していく。
そこには過去も未来もない。
現在の中でただひたすら破壊していく。
今を生きる君はなんて美しいんだ。

僕は不機嫌な女が好きだ。

不機嫌な女ほど、口いっぱいに頬張りだす。
甘いものがお好き？
かと思えば、次はしょっぱいものかい。
世界には色んな味があるんだと思い出させてくれる。
ちょっと太ったくらいの君が好きなんだ。

僕は不機嫌な女が好きだ。

不機嫌な女ほど、酒を飲みだす。
そのうちに目がとろけだす。
そんな君の目に吸い込まれてしまうんだ。
曲線を描いて道を歩いていく君の背中も好きなんだ。

僕は不機嫌な女が好きだ。
僕は不機嫌な女が好きだ。
僕は不機嫌な女が好きだ。

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