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【アメリカ流通業レポート④】コロナ禍の勝ち組企業ターゲット、PBとオムニチャネルで躍進
バランス良い売上構成比で粗利ミックスと集客を両立
ターゲットは、コロナ禍で最も成⻑した小売業の1社に数えられる。同社では部門を大きく(1)アパレルとアクセサリー、(2)HBCと日用雑貨、(3)食品と飲料、(4)家電、玩具およびエンターテイメント、(5)ホームファニシングとインテリアの5つに分けている。
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ターゲットのような食品と非食品を販売する大型店では、収益性の維持/向上のために、購買頻度は高いが利益率の低い食品と、利益率の高い非食品部門の売上に占める割合が重視される。図表1でも分かるように、ターゲットは巧みなMD技術により、バランスの取れた売上構成を実現している。
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過去には来店頻度を高めるために重要な食品部門の弱さが指摘されていたが、以前のPB“アーチャー・ファームズ”と“シンプリー・バランスト”をラインから撤退し、新PB「グッド&ギャザー」を開発導入した頃から食品部門の販売力が飛躍的に伸びた。手ごろな価格で人気の高い商品ラインアップを持つ新PBは、価格、品質の両面で絶大な強さを誇るトレーダー・ジョーズやアルディのPBとも互角に競えるブランドとして成功し、年20億ドルのブランドに成⻑した。
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