物販、調剤、在宅介護、DX+専門家でHBCの「地域密着型トータルケア」を提供するイオンリテール[執行役員 H&BC本部本部長 工藤 真紀氏に聞く]
3つの物販、2つのサービス それぞれに専門家を配置
ヘルス&ビューティケアのトータル戦略についてからお話します。イオングループの2021年~2025年度の中期経営計画の中で、図表1の5つの成長戦略を設定しています。
イオンリテールH&BC本部は、図表1の「新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化」を成長戦略として掲げています。H&BC事業本部が考える新しい時代のヘルス&ウエルネスの今後については、SDGsからさらに進化したSWGS(Sustainable Well-being Goals)という言葉を今後のトレンドとして表現しています。
SWGSを構成する要素としては、「医食同源」を実現することが最優先のテーマです。さらに、環境(持続可能)、個性(自分らしく生きる)、幸福(笑顔にするサービス)に重点的に取り組んでいきます。この4つのトレンドをリアルとバーチャルで実現していくことを目指しています。
H&BC本部が実現する売場の領域は5つあります(図表2)。ビューティ、ファーマシー(一般用医薬品)、デイリーコンビニエンス(日用雑貨)という3つの物販に加えて、調剤サービスの4つまではドラッグストアとほぼ同じです。
それに加えてユニークな事業として「イオンスマイル」というデイケアサービスの介護事業をH&BC本部として展開しており、3つの物販と2つのサービスで構成されています。
また、それぞれの物販とサービスに専門家を配置していることが大きな特徴です。ファーマシーでは登録販売者、管理栄養士、ビューティはビューティケアアドバイザー、調剤は薬剤師、さらにイオンスマイルでは、「理学療法士」という要介護者の運動・リハビリメニューを作成する専門家がいることは、H&BC事業本部の大きな特徴です。
しかも、5つの専門家と物販・サービスが店舗でもデジタルでも融合した価値を提供していくことがユニークな取り組みであると思います。デジタルでの販売に関しては、「イオンスタイルオンライン」と「ネットスーパー」の2つがあります。
H&BCを取り巻く6つの環境変化に、前述した5つのグループで対応していく方針です(図表3)。たとえばMZ世代の消費の中心へということで、ドラッグストアよりもビューティやデイリーコンビニエンス(デリコン)の売場を広くとっていますので、より若い世代に対応した品揃えや売り方ではよりMZ世代に対応できていると思います。
また、持続可能な環境配慮という意味では、オーガニック、フェムテック商品の取り扱いを増やしています。
H&BC本部の5つの重点戦略
さらなる成長に向けて、H&BC本部は以下の5つの戦略を進めていきます。
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